■2017年行政書士試験・行政救済法第3問

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■行政不服審査法(2017−16)【条文知識問題】

行政不服審査法の定める執行停止に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 処分庁の上級行政庁または処分庁のいずれでもない審査庁は、必要があると認めるときは、審査請求人の申立てによりまたは職権で、処分の効力、処分の執行または手続の続行の全部または一部の停止その他の措置をとることができる。

2) 審査庁は、処分、処分の執行または手続の続行により生ずる重大な損害を避けるために緊急の必要があると認めるときは、審査請求人の申立てがなくとも、職権で執行停止をしなければならない。

3) 審理員は、必要があると認める場合には、審査庁に対し、執行停止をすべき旨の意見書を提出することができ、意見書の提出があった場合、審査庁は、速やかに執行停止をしなければならない。

4) 執行停止をした後において、執行停止が公共の福祉に重大な影響を及ぼすことが明らかとなったとき、その他事情が変更したときには、審査庁は、その執行停止を取り消すことができる。

5) 処分庁の上級行政庁または処分庁が審査庁である場合には、処分の執行の停止によって目的を達することができる場合であっても、処分の効力の停止をすることができる。

■解説

【難易度】易しい。

1) 誤り。審査庁が「処分庁の上級行政庁または処分庁」の場合(行政不服審査法25条2項)と異なり、審査庁が「処分庁の上級行政庁または処分庁のいずれでもない」場合における執行停止は、職権では行うことができず審査請求人の申立を要する(25条3項)。また申立があった場合でも、「処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止以外の措置をとることはできない」(25条3項但書)。この「以外の措置」とは、原処分を変更して暫定的な処分をすることで、「処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止」と同様の効果を発生させるもの(懲戒免職処分の審査請求で、暫定的に停職処分に変更する等)をいう。宇賀克也『行政不服審査法の逐条解説』(2015年、有斐閣)121頁。

2) 誤り。このような義務的執行停止については(25条2、3項は裁量的執行停止である)、審査請求人の申立を必要とする(25条4項)。義務的執行停止については、審査庁が「処分庁の上級行政庁または処分庁」の場合であっても、審査請求人の申立を要する。前掲宇賀121頁。

3) 誤り。前半部分は正しいが(40条)、意見書が提出された場合、審査庁は「審査庁は、速やかに、執行停止をするかどうかを決定しなければならない」(25条7項)のであり、執行停止をしなければならないのではない。

4) 正しい。26条。

5) 誤り。処分庁の上級行政庁または処分庁が審査庁である場合(審査庁が、処分庁の上級行政庁または処分庁のいずれでもない場合も同じく)、処分の執行の停止によって目的を達することができる場合、処分の効力の停止をすることはできない(25条6項)。