■2017年行政書士試験・法令記述式第2問

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■民法(2017−45)【条文知識問題】

AはBに対して100万円の売買代金債権を有していたが、同債権については、A・B間で譲渡禁止特約が付されていた。しかし、Aは、特約に違反して、上記100万円の売買代金債権をその弁済期経過後にCに対して譲渡し、その後、Aが、Bに対し、Cに譲渡した旨の通知をした。Bは、その通知があった後直ちに、Aに対し、上記特約違反について抗議しようとしていたところ、Cが上記100万円の売買代金の支払を請求してきた。この場合に、Bは、Cの請求に応じなければならないかについて、民法の規定および判例に照らし、40字程度で記述しなさい。

■解説

【難易度】易しい。民法改正に伴う補足事項がある(外部ブログ)。

「A(債権者)−B(債務者)間には債権(甲)があったが、Aは、甲をCに譲渡し更にBに譲渡の旨の通知した。後にCは甲をBに行使してきたがBはその請求に応じなければならないか、甲には譲渡禁止特約があるにもかかわらず」、というのが本問の要旨である。

まず民法は債権の譲渡性を一般的に認めるが(民法466条1項本文)、同時にこれを当事者意思により制限することも認める(466条2項本文)。本問の特約は後者に基づくものだが、この制限は「善意の第三者」には対抗できない(466条2項但書)。債権の譲渡性が原則であり、当事者間の内部的な禁止特約により善意の第三者を害するのは不適切だからである。
なお譲渡禁止特約を対抗できない第三者とは、条文上は「善意の第三者」とされているが、判例はこれを「善意無重過失」としている(最判昭和48年7月19日)。重過失は悪意と同様に扱うべきというのがその理由である。本問では「Cが善意無重過失要件を具備しているか否か」という点を中心に論ずることになる。なおCはBに対する対抗要件を具備しているので(467条1項参照)、Cが譲渡禁止特約につき善意かつ無重過失の場合、Bは請求に応じなければならない。本問については、野村−栗田−池田−永田『民法V』第2版補訂(1999年、有斐閣)171−172頁、177頁以下参照。

解答としては次のようになろうか。
Bは、Cが譲渡禁止特約につき善意かつ無重過失の場合、Cの請求に応じなければならない。(42文字)