■2014年行政書士試験・民法3(親族、相続)

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■利益相反行為(2014−35)【判例問題】

利益相反行為に関する以下の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア) 親権者が、共同相続人である数人の子を代理して遺産分割協議をすることは、その結果、数人の子の間の利害の対立が現実化しない限り、利益相反行為にはあたらない。

イ) 親権者である母が、その子の継父が銀行から借り入れを行うにあたり、子の所有の不動産に抵当権を設定する行為は、利益相反行為にあたる。

ウ) 親権者が、自己の財産を、子に対して有償で譲渡する行為は当該財産の価額の大小にかかわらず利益相反行為にあたるから、その子の成年に達した後の追認の有無にかかわらず無効である。

エ) 親権者が、自らが債務者となって銀行から借り入れを行うにあたって、子の所有名義である土地に抵当権を設定する行為は、当該行為がどのような目的で行なわれたかに関わりなく利益相反行為にあたる。

オ) 親権者が、他人の金銭債務について、連帯保証人になるとともに、子を代理して、子を連帯保証人とする契約を締結し、また、親権者と子の共有名義の不動産に抵当権を設定する行為は、利益相反行為にあたる。

1) ア)、イ)
2) ア)、エ)
3) イ)、ウ)
4) ウ)、エ)
5) エ)、オ)

■解説

【難易度】普通。826条関連の問題である。

ア) 誤り。遺産分割協議は利益相反行為にあたるというのが判例である(最判昭和48年4月24日)。佐藤−伊藤−右近『民法X』第2版補訂(2000年、有斐閣)112頁。

イ) 誤り。当該抵当権設定行為は母の利益のためになされたものではないから、「親権を行う父又は母とその子との利益」(826条参照)について相反する行為ではないというのが判例である(最判昭和35年7月15日)。前掲佐藤他112頁。

ウ) 誤り。ある行為が利益相反行為にあたるとされた場合、その行為は無権代理行為となるが(最判昭和46年4月20日)、未成年者は成年に達した後当該無権代理行為を追認できるというのが判例である(大判昭和11年8月7日)。前掲佐藤他114頁。なお親権者が自己の財産を子に有償譲渡する行為は利益相反行為にあたるという説明は正しい(大判大正9月1月21日参照)。前掲佐藤他112頁。

エ) 正しい。「親権者自身が」金銭を借りるに際し、右債務につき子の所有不動産の上に抵当権を設定することは、借りた金銭を子の養育費に充当する意図でなされたとしても、利益相反行為になるというのが判例である(最判昭和37年10月2日)。前掲佐藤他112頁。

オ) 正しい。このように、他人の債務につき子と共に連帯保証人になり、子との共有不動産全部につき物上保証をすることは、利益相反行為となるというのが判例である(最判昭和43年10月8日)。前掲佐藤他112頁。

よって正解は5)のエ)、オ)となろう。