■2014年行政書士試験・憲法2(統治機構)

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■内閣(2014−6)【条文知識問題】

内閣に関する憲法の規定の説明として正しいものはどれか。

1) 内閣総理大臣は、衆議院議員の中から、国会の議決で指名する。

2) 国務大臣は、内閣総理大臣の指名に基づき、天皇が任命する。

3) 内閣は、衆議院で不信任の決議案が可決されたとき、直ちに総辞職しなければならない。

4) 内閣は、総選挙の結果が確定すると同時に、直ちに総辞職しなければならない。

5) 内閣は、総辞職の後、新たに内閣総理大臣が任命されるまで引き続き職務を行う。

■解説

【難易度】易しい。

1) 誤り。「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で」指名する(憲法67条1項)。

2) 誤り。「内閣総理大臣は、国務大臣を任命する」(68条1項本文)。

3) 誤り。「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない」(69条)

4) 誤り。「衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない」(70条)。

5) 正しい。71条。

■国法の優劣関係(2014−7)【理論問題】

法令相互の関係に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 刑罰の制定には法律の根拠が必要であるから、条例で罰則を定めるためには、その都度、法律による個別具体的な授権が必要である。

2) 国会による条約の承認には、予算と同様の衆議院の優越が適用され、法律の議決の方がより厳格な手続を要するので、条約の国内法的効力は、法律に劣る。

3) 法律の委任がなければ、政令によって国民に義務を課し、もしくはその権利を制限することはできないが、緊急の必要がある場合、国会の事後の承認を条件に、そのような定めを政令で行うことは、必ずしも違憲とはいえない。

4) 最高裁判所は、裁判所の内部規律・司法事務処理に関し規則を制定することができるが、訴訟手続や弁護士に関する定めは法律事項であるから、規則で定めることはできない。

5) 憲法は両議院に対し自律権を認め、議院内部の事項について自主的に議事規則を定める権能を付与しているが、国会法は、両議院と政府等の関係や議院相互の関係にとどまらず、議院内部の事項をも規定している。

■解説

【難易度】普通。

1) 誤り。条例は、国会の議決を経て制定される法律に近いものであるから、条例により刑罰を定める場合には、「法律による個別具体的な授権」は必要とされず、「法律の授権が相当な程度に具体的であり、限定されていれば足りる、というのが判例である(最大判昭和37年5月30日)。この判例は、旧地方自治法2条3項(削除)で規定されていた例示的事項を「相当な程度に具体的」とすることで、条例中の罰則規定を合憲とした。地方自治法14条3項参照。芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第5版(2011年、岩波書店)361頁、佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)566頁。

2) 誤り。「法律と条約」の優劣については条約が優位すると考えられている(通説)。なお「憲法と条約」の優劣について、通説、判例は憲法優位説をとる(最大判昭和34年12月16日)。前掲芦部13、373頁以下、佐藤89頁。

3) 誤り。前半は正しいが、後半が誤り。ここで述べられているような、旧憲法下における緊急勅令(明治憲法8条)のような制度は、現行憲法上の国会中心立法の原則(憲法41条)の観点からは、認められない。前掲芦部287頁、佐藤434頁。

4) 誤り。「最高裁判所は、訴訟に関する手続弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する」(77条1項)。なおこれらの事項については法律でも定め得るが、規則と法律が競合、矛盾している場合は法律が優位すると解されている(通説)。前掲芦部341頁以下、佐藤613頁。

5) 正しい。58条2項前段、国会法第3章等。なお、ここでも規則と法律の競合、矛盾があり得るが、この場合も法律が優位すると解されている。前掲芦部306頁、佐藤461−462頁および注38。