■2014年行政書士試験・地方自治法

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■普通地方公共団体の長(2014−21)【条文知識問題】

普通地方公共団体の長についての地方自治法の規定に関する次のア)−オ)の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア) 長は、その管理に属する行政庁の処分が法令、条例または規則に違反すると認めるときは、その処分を取り消し、または停止することができる。

イ) 当該普通地方公共団体の議会が長の不信任の議決をした場合において、長は議会を解散することができ、その解散後初めて招集された議会においては、再び不信任の議決を行うことはできない。

ウ) 当該普通地方公共団体の議会の議決がその権限を超えまたは法令もしくは会議規則に違反すると認めるときは、長は、議決の日から所定の期間内に、議会を被告として、当該議決の無効確認の請求を裁判所に行うことができる。

エ) 長は、当該普通地方公共団体に対し請負をする者およびその支配人になることができないが、地方自治法の定める要件をみたした場合で、かつ議会の同意を得た場合にはその限りではない。

オ) 会計管理者は、当該普通地方公共団体の長の補助機関である職員のうちから長が命ずるが、長と一定の親族関係にある者は、会計管理者となることができず、また長と会計管理者の間にこれらの関係が生じたときは、会計管理者は、その職を失う。

1) ア)、イ)

2) ア)、オ)

3) イ)、エ)

4) ウ)、オ)

5) エ)、オ)

■解説

【難易度】やや難。

ア) 正しい。地方自治法154条の2。

イ) 誤り。解散後初めて招集された議会が再度長の不信任決議をすることは可能である(178条2項)。前半部分は正しい(1項)。

ウ) 誤り。まずこの場合、長は理由を示して当該議決を再議に付さなければならない(176条4項)。なお出訴については同条7項参照。

エ) 誤り。「地方自治法の要件と議会の同意」という規定はない。なお前半部分の、普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体に対し請負をする者及びその支配人になることができないという説明は正しい(142条)。

オ) 正しい。168条2項、169条。

よって正解は2)となろう。

■住民(2014−22)【条文知識問題】

A市在住の日本国籍を有する住民X(40歳)とB市在住の日本国籍を有しない住民Y(40歳)に関する次の記述のうち、地方自治法の規定に照らし、正しいものはどれか。

1) Xは、A市でもB市でも、住民訴訟を提起する資格がある。

2) Yは、A市でもB市でも、住民訴訟を提起する資格がない。

3) Xは、A市でもB市でも、事務監査請求をする資格がある。

4) Yは、A市では事務監査請求をする資格がないが、B市ではその資格がある。

5) Xは、A市でもB市でも、市長選挙の候補者になる資格がある。

■解説

【難易度】普通。

1) 誤り。住民監査請求(242条1項)をした「普通地方公共団体の住民」が住民訴訟(242条の2第1項)を提起できるが、地方自治法は「市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民」(10条)としているので、Xは「住所を有するA市についてのみ」、住民訴訟の主体となり得る。

2) 誤り。住民監査請求(242条1項)をした「普通地方公共団体の住民」が住民訴訟(242条の2第1項)を提起できるが、地方自治法は「市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民」(10条)としているので、Yの居住市たるB市での住民訴訟が認められるかが問題となる。この点、242条の2第1項にいう「住民」は国籍の有無を問わないと解されているので、日本国籍を有しないYであっても「住所を有するB市について」住民訴訟の主体となり得る。塩野宏『行政法V』第2版(2001年、有斐閣)168頁。

3) 誤り。事務監査請求は「選挙権を有する者」に認められるが、選挙権は「日本国民たる年齢満20年以上の者で引き続き3箇月以上市町村の区域内に住所を有するもの」(18条)に認められる結果、Xは「住所を有するA市についてのみ」事務監査請求をなし得る。

4) 誤り。事務監査請求は「選挙権を有する者」に認められるが、選挙権は「日本国民たる年齢満20年以上の者で引き続き3箇月以上市町村の区域内に住所を有するもの」(18条)に認められる結果、日本国籍を有しないXは「いずれの市でも」事務監査請求をなし得ない。

5) 正しい。市町村長の被選挙権は、25歳以上の者であれば認められる(19条3項)ので、Xは「いずれの市でも」市長選挙の被選挙権を有する。選挙権のような居住要件(18条)は、市町村長の被選挙権にはない。

■条例(2014−23)【条文知識問題】

条例に関する地方自治法の規定について、次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 選挙権を有する者からの一定の者の連署による条例の制定又は改廃の請求がなされた場合、適法な請求を受理した長は、これを議会に付議しなければならず、付議を拒否することは認められていない。

2) 選挙権を有する者は、一定の者の連署によって、条例の制定及び改廃の請求をすることができるが、その対象となる条例の内容については、明文の制約はない。

3) 地方公共団体の条例制定権限は、当該地方公共団体の自治事務に関する事項に限られており、法定受託事務に関する事項については、及ばない。

4) 条例の議決は、議会の権限であるから、条例の公布も、議会の議長の権限とされているが、議長から送付を受けた長が公報などにより告示する。

5) 条例の制定は、議会に固有の権限であるから、条例案を議会に提出できるのは議会の議員のみであり、長による提出は認められていない。

■解説

【難易度】易しい。

1) 正しい。74条1、3項。

2) 誤り。選挙権を有する者は、「政令の定めるところにより、その総数の50分の1以上の者の連署をもつて、その代表者から、普通地方公共団体の長に対し、条例(地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものを除く。)の制定又は改廃の請求をすることができる」(74条1項)とあるように、直接請求の対象となる条例の内容に明文の制約がある。

3) 誤り。地方公共団体の地域における事務である限り、法定受託事務についても条例で規定し得る。前掲塩野143頁。

4) 誤り。条例の制定又は改廃の議決があった場合、議会の議長はこれを長に送付し(16条1項)、送付を受けた長がこれを公布する(2項)。つまり公布は議会の議長ではなく、長の権限である。

5) 誤り。長による提出も可能である(149条1号)。なお議員については112条1項。