■2014年行政書士試験・行政手続法

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■行政手続法(2014−11)【条文知識問題】

不利益処分に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1)  行政手続法は、不利益処分について、処分庁が処分をするかどうかを判断するために必要な処分基準を定めたときは、これを相手方の求めにより開示しなければならない旨を規定している。

2)  行政手続法は、不利益処分について、処分と同時に理由を提示すべきこととしているが、不服申立ての審理の時点で処分庁が当該処分の理由を変更できる旨を規定している。

3) 行政手続法は、処分庁が金銭の納付を命じ、または金銭の給付を制限する不利益処分をしようとするときは、聴聞の手続も弁明の機会の付与の手続もとる必要がない旨を規定している。

4) 行政手続法は、処分庁が意見陳述のための手続をとることなく不利益処分をした場合、処分の名あて人は処分後に当該手続をとることを求めることができる旨を規定している。

5)  行政手続法は、原則として聴聞の主宰者は処分庁の上級行政庁が指名する処分庁以外の職員に担当させるものとし、処分庁の職員が主宰者となること、および処分庁自身が主宰者を指名することはできない旨を規定している。

■解説

【難易度】普通。

1) 誤り。不利益処分についての基準策定、公表はともに努力義務である(行政手続法12条1項)。塩野宏『行政法T』第5版(2009年、有斐閣)301頁、櫻井敬子−橋本博之『行政法』初版(2007年、弘文堂)205頁。

2) 誤り。このような旨の規定はない。不服申立の審理段階で処分理由の変更が認められるならば、相手方は不服申立の準備に困難をきたすため、このような変更は認められないと言えよう(理由付記に認められる「不服申立便宜機能」〔最判昭和60年1月22日。前掲塩野271頁、櫻井他209頁〕に注意)。

3) 正しい。13条2項4号。

4) 誤り。行政手続法は、不利益処分において要求される「聴聞」または「弁明の機会の付与」を省略し得る場合を定めているが(13条2項)、ここでいうような処分後に意見陳述手続を求め得る旨の規定は存在しない。

5) 誤り。このような旨の規定はない(聴聞の主宰者になれない者として、19条2項参照)。なお前掲塩野304頁、櫻井他206頁。

■行政手続法(2014−12)【条文知識問題】

許可の申請手続において、行政庁Yは審査基準を公にしないまま手続を進めて、結果として申請者Xに許可を与えなかった。この事例に関する次の記述のうち、行政手続法の条文に照らし、正しいものはどれか。

1) Yは公聴会を開催してXの意見を聞く法的義務を負うことから、Yが審査基準を公にしなかったことも違法とはならない。

2) 行政庁が審査基準を公にすることは努力義務に過ぎないことから、Yが審査基準を公にしなかったことも違法とはならない。

3) Xは情報公開法*に基づき情報公開請求をして審査基準を閲覧できることから、Yが審査基準を公にしなかったことも違法とはならない。

4) 審査基準は、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りることから、Xが審査基準の提示をYに求めなかったのであれば、Yが審査基準を公にしなかったことも違法とはならない。

5)  審査基準を公にすると行政上特別の支障が生じるのであれば、Yが審査基準を公にしなかったことも違法とはならない。

(注)* 行政機関の保有する情報の公開に関する法律

■解説

【難易度】易しい。

1) 誤り。申請に対する処分の中で「申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているもの」については、公聴会の開催が義務付けられているが、Xによる申請に対する処分がこれに該当するか問題文からは不明である。また仮にYが公聴会を開催しなければならないとしてもそれは、法的義務ではなく努力義務に過ぎない(10条)。前掲塩野295頁、櫻井他204頁。

2) 誤り。審査基準の策定、公表は法的義務である(5条1、3項)。前掲塩野293頁、櫻井他202頁。

3) 誤り。上にあるように審査基準の公表は法的義務であるから、非公表は原則違法となる。

4) 誤り。審査基準は申請者の求めに応じて公表するものではなく、「機関の事務所における備付けその他の適当な方法により」公表するものである(5条3項)。

5) 正しい。5条3項。

■行政手続法(2014−13)【条文知識問題】

行政手続法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 行政手続法の行政指導に関する規定は、地方公共団体の機関がする行政指導については、それが国の法令の執行に関わるものであっても適用されず、国の機関がする行政指導のみに適用される。

2) 地方公共団体の機関が命令等を定める行為について、行政手続法の意見公募手続に関する規定は適用されないが、地方公共団体の機関がする処分については、その根拠となる規定が条例に定められているものであっても、同法の処分手続に関する規定が適用される。

3) 申請に対する処分であっても、処分をするか否かに行政庁の裁量が認められないと考えられる処分については、行政庁が審査をする余地がないため、届出の手続に関する規定が適用される。

4) 行政庁が不利益処分をしようとする場合、処分の名あて人となるべき者でなくても、当該処分について法律上の利益を有する者に対しては、弁明の機会の付与の手続に関する規定が適用される。

5) 行政手続法の規定が適用除外される事項は、同法に定められているので、個別の法律により適用除外とされるものはなく、個別の法律に同法と異なる定めがあっても同法の規定が優先して適用される。

■解説

【難易度】普通。

1) 正しい。地方公共団体の機関が行う行政指導は、全面的に行政手続法の適用除外となる(3条3項)。前掲塩野284頁、櫻井他200頁。

2) 誤り。意見公募についての説明は正しいが、処分についてはその根拠となる規定が条例に定められている場合、行政手続法の適用が除外される(3条3項括弧書)。前掲塩野284頁、櫻井他200頁。

3) 誤り。そもそも行政手続法は、届出の概念から申請を除外しているのであるから、このようなことはない(2条7号括弧書)。

4) 誤り。「聴聞」の主宰者は、当事者以外の者で不利益処分につき法律上の利益を有する者(関係人)に対し、聴聞手続への参加を求めたり、聴聞手続への参加を許可し得るが(17条1項)、関係人に「弁明の機会の付与」の手続に関する規定が適用されるということはない。17条1項は弁明の機会の付与の手続に準用されていない(31条)。

5) 誤り。「処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関しこの法律に規定する事項について、他の法律に特別の定めがある場合は、その定めるところによる」(1条2項)。個別法で行政手続法の適用除外を定める場合もある。前掲塩野279頁、櫻井他200頁。