■2014年行政書士試験・商法

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■支配人(2014−36)【条文知識問題】

商法上の支配人に関する次の記述のうち、商法の規定に照らし、正しいものはどれか。

1) 商人が支配人を選任したときは、その登記をしなければならず、この登記の完了により支配人も商人資格を取得する。

2) 支配人は、商人の営業所の営業の主任者として選任された者であり、他の使用人を選任し、または解任する権限を有する。

3) 支配人の代理権の範囲は画一的に法定されているため、商人が支配人の代理権に加えた制限は、悪意の第三者に対しても対抗することができない。

4) 支配人は、商人に代わり営業上の権限を有する者として登記されるから、当該商人の許可を得たとしても、他の商人の使用人となることはできない。

5) 商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、支配人として選任されていなくても、当該営業所の営業に関しては、支配人とみなされる。

■解説

1) 誤り。登記の説明は正しいが(商法22条)、登記完了により支配人が商人となるのではない。支配人は代理権を有する商業使用人である(21条参照)。

2) 正しい。20条、21条2項。

3) 誤り。支配人の代理権の範囲は、包括的に「営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限」にまで及ぶが(21条1項)、これに加えた制限は「善意の第三者」に対抗できない(21条2項)。

4) 誤り。「許可」があれば、支配人は他の商人の使用人になることは可能である(23条1項3号)。

5) 誤り。このような使用人(表見支配人)は支配人とみなされるわけではない。表見支配人は、「一切の裁判外の行為をする権限を有するもの」とみなされる(24条)のである。21条1項と比較のこと。

■株式会社の設立(2014−37)【条文知識問題】

株式会社の設立における出資等に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。

ア) 株主となる者が設立時発行株式と引換えに払込み、または給付した財産の額は、その全額を資本金に計上することは要せず、その額の2分の1を超えない額を資本準備金として計上することができる。

イ) 発起人は、会社の成立後は、錯誤を理由として設立時発行株式の引受けの無効を主張し、または詐欺もしくは強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。

ウ) 設立時発行株式を引き受けた発起人が出資の履行をしない場合には、当該発起人は当然に設立時発行株式の株主となる権利を失う。

エ) 発起人または設立時募集株式の引受人が払い込む金銭の額および給付する財産の額の合計が、定款に定められた設立に際して出資される財産の価額またはその最低額に満たない場合には、発起人および設立時取締役は、連帯して、その不足額を払い込む義務を負う。

オ) 設立時発行株式の総数は、設立しようとする会社が公開会社でない場合を除いて、発行可能株式総数の4分の1を下ることはできない。

1) ア)、イ)

2) ア)、オ)

3) イ)、ウ)

4) ウ)、エ)

5) エ)、オ)

■解説

ア) 正しい。会社法445条2、3項。

イ) 正しい。51条2項。

ウ) 誤り。「当然に」権利を失うのではない。この場合発起人に対し期日を定め、その期日までに出資を履行しなければならない旨通知をする必要があり(36条1項)、この通知を受けた発起人が当該期日までに出資を履行しない場合に、株主となる権利を失うことになる(36条3項)。

エ) 誤り。このような規定は会社法にはない。

オ) 正しい。37条3項。

よって正解は4)となろう。

■株式の併合、分割(2014−38)【条文知識問題】

取締役会設置会社であり、種類株式発行会社でない株式会社(委員会設置会社を除く。)が行う株式の併合・分割等に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、正しいものはどれか。なお、定款に別段の定めはないものとする。

1) 株式を併合するには、その都度、併合の割合および株式の併合がその効力を生ずる日を、株主総会の決議によって定めなければならない。

2) 株式を分割するには、その都度、株式の分割により増加する株式の総数の分割前の発効済株式の総数に対する割合および当該株式の分割に係る基準日ならびに株式の分割がその効力を生ずる日を、株主総会の決議によって定めなければならない。

3) 株式の無償割当てをするには、その都度、割り当てる株式の数およびその効力の生ずる日を、株主総会の決議によって定めなければならない。

4) 株式の分割によって定款所定の発行可能株式総数を超過することになる場合は、あらかじめ株主総会の決議により発行可能株式総数を変更するのでなければ、このような株式の分割をすることはできない。

5) 株券発行会社が株式の併合または分割をしようとするときは、いずれの場合であっても、併合または分割の効力が生ずる日までに、当該会社に対し当該株式に係る株券を提出しなければならない旨の公告を行い、併合または分割した株式に係る株券を新たに発行しなければならない。

■解説

1) 正しい。180条2項。

2) 誤り。取締役会設置会社が株式を分割する場合は、肢中で述べられているこれらを株主総会ではなく、取締役会の決議によって定めなければならない(183条2項)。

3) 誤り。取締役会設置会社が株式の無償割当てをする場合は、肢中で述べられているこれらを株主総会ではなく、取締役会の決議によって定めなければならない(186条3項)。

4) 誤り。このように超過する場合であっても、株主総会決議を経ずに184条2項が規定する範囲内で、定款所定の発行可能株式総数を超過する株式の分割をし得る。

5) 誤り。この公告手続は株式の併合の場合に要求される(219条1項2号)。分割の場合は必要でない。

■株主総会の決議(2014−39)【条文知識問題】

株主総会の決議に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、妥当でないものはどれか。

1) 取締役会設置会社の株主総会は、法令に規定される事項または定款に定められた事項に限って決議を行うことができる。

2) 取締役会設置会社以外の会社の株主総会においては、招集権者が株主総会の目的である事項として株主に通知した事項以外についても、決議を行うことができる。

3) 取締役または株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき議決権を行使できる株主の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったとみなされる。

4) 株主総会の決議取消しの訴えにおいて、株主総会の決議の方法に関する瑕疵が重大なものであっても、当該瑕疵が決議に影響を及ぼさなかったものと認められる場合には、裁判所は、請求を棄却することができる。

5) 会社を被告とする株主総会の決議取消しの訴え、決議の無効確認の訴え、および決議の不存在確認の訴えにおいて、請求認容の判決が確定した場合には、その判決は、第三者に対しても効力を有する。

■解説

1) 正しい。295条2項。

2) 正しい。309条5項本文反対解釈。

3) 正しい。319条1項。

4) 誤り。よってこれが正解である。「株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる」(831条2項)。

5) 正しい。838条。

■株式会社の定款(2014−40)【条文知識問題】

株式会社(委員会設置会社を除く)の次に掲げる事項のうち、会社法の規定に照らし、その事項について定款の定めを必要としないものはどれか。

1) 公開会社でない株式会社が、剰余金の配当を受ける権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行うこと。

2) 譲渡制限株式を発行する株式会社が、相続その他の一般承継により当該会社の譲渡制限株式を取得した者に対し、当該株式を当該会社に売り渡すことを請求すること。

3) 株券を発行していない株式会社が、その発行する全部の株式につき、株券を新たに発行すること。

4) 取締役の数が6人以上であって、そのうち1人以上が社外取締役である株式会社において、当該会社の代表取締役が当該会社を代表して多額の借財を行う場合に、当該行為についての取締役会の決議については、特別取締役による議決をもって行うこと。

5) 監査役会設置会社の取締役がその職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該取締役の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときに、当該会社の取締役会がその決議によって、当該取締役の損害賠償責任額から最低責任限度額を控除した額の限度で当該損害賠償責任を免除すること。

■解説

1) 必要とする。109条2項。

2) 必要とする。174条。

3) 必要とする。214条。

4) 必要としない。ここでの「多額の借財」(362条4項2号)については、定款ではなく取締役会決議で定め得る(373条1項)。

5) 必要とする。426条1項。