■2009年行政書士試験・民法第7問(債権)

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■賃貸借(2009−33)【判例問題】

次の文章は、最高裁判所の判決文の一節であるが、文中の空欄(ア)−(ウ)に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。

「賃貸人の承諾のある転貸借においては、転借人が目的物の使用収益につき賃貸人に対抗し得る権原(転借権)を有することが重要であり、転貸人が、自らの債務不履行により賃貸借契約を解除され、転借人が転借権を賃貸人に対抗し得ない事態を招くことは、転借人に対して目的物を使用収益させる債務の履行を怠るものにほかならない。そして、賃貸借契約が転貸人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合において、賃貸人が転借人に対して直接目的物の返還を請求したときは、転借人は賃貸人に対し、目的物の返還義務を負うとともに、遅くとも右返還請求を受けた時点から返還義務を履行するまでの間の目的物の使用収益について、不法行為による損害賠償義務又は不当利得返還義務を免れないこととなる。他方、賃貸人が転借人に直接目的物の返還を請求するに至った以上、転貸人が賃貸人との間で再び賃貸借契約を締結するなどして、転借人が賃貸人に転借権を対抗し得る状態を回復することは、もはや期待し得ないものというほかなく、(ア)の(イ)に対する債務は、社会通念及び取引通念に照らして(ウ)というべきである。したがって、賃貸借契約が転貸人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合、賃貸人の承諾のある転貸借は、原則として、賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請求した時に、(ア)の(イ)に対する債務の(ウ)により終了すると解するのが相当である。」
(最三小判平成9年2月25日民集51巻2号398頁以下)

ア、イ、ウ
1) 転貸人、転借人、不完全履行
2) 転貸人、賃貸人、履行不能
3) 賃貸人、転貸人、履行遅滞
4) 賃貸人、転借人、履行遅滞
5) 転貸人、転借人、履行不能

■解説

【難易度】易しい。本判例を知らなくとも、空欄の前後の文章を判断すれば、どのような言葉で埋めるかは想像付きやすい。

賃貸人、賃借人、転借人間の賃貸借契約が賃借人の債務不履行により解除された場合、賃借人と転借人との間の転貸借は、原則賃貸人が転借人に目的物の返還を請求した時に、賃借人の転借人に対する債務不能により終了する、というのが本判決の要旨である(内田貴『民法U』初版〔1997年、東大出版会〕213頁)

ア) 転貸人、イ) 転借人、ウ) 履行不能がそれぞれ入り、正解は5)になろう。