■2009年行政書士試験・民法第5問(債権)

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■連帯債務(2009−31)【条文知識問題】

A、B、C三人がDに対して60万円の連帯債務を負っている場合に関する次のア)−オ)の記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

ア) AがDに60万円を弁済した場合に、A、B、C三人の負担部分が平等であるときは、Aは、B、Cに20万円ずつ求償できるが、もしCが無資力のときは、Bに対して30万円の求償をすることができる。

イ) AがDに60万円を弁済した場合に、A、B、Cの負担部分が1:1:0であり(Cには負担部分がない)、また、Bが無資力のときは、Aは、B、Cに20万円ずつ求償することができる。

ウ) DがAに対して60万円の債務を免除した場合に、A、B、C三人の負担部分が平等であるときは、B、Cは、40万円ずつの連帯債務を負うことになる。

エ) DがAに対して連帯の免除をした場合に、A、B、C三人の負担部分が平等であったときは、Aは、20万円の分割債務を負い、B、Cは、40万円ずつの連帯債務を負うことになる。

オ) A、B、C三人の負担部分が平等である事情の下で、DがAに対して連帯の免除をした場合に、Bが債務全額を弁済したときに、もしCが無資力であったとすると、Cが弁済することができない部分のうちAが負担すべき10万円はDが負担する

1) ア)、イ)
2) ア)、ウ)
3) イ)、エ)
4) ウ)、エ)
5) ウ)、オ)

■解説

【難易度】やや難しい。複数の当事者および数字が色々出てくるので、ちょっと混乱を引き起こす問題であったと思う。民法改正に伴う補足事項がある(外部ブログ)。

ア) 正しい。Cが無資力の場合、その負担部分20万円についてはA、Bが自己の負担部分に応じて負担する(この場合は折半する)ことになるので、AはBに30万円求償できる(444条本文)。前掲野村他『民法V』第2版補訂(1999年、有斐閣)140頁。

イ) 誤り。この場合判例は、無資力者Bの負担部分をACで平等に負担する(AはCに15万円の求償ができる)とするが、学説は、負担部分0の者(C)には求償できないという理由で、AがBの負担部分を全額負うとする者が多い。前掲野村他140−141頁。いずれにしろ、問題文中で言う20万円ずつの求償はできない。

ウ) 正しい。免除の場合、Aの負担部分については他の債務者も債務を免れることになる(437条)ので、B、CはAの免除以降、40万円の連帯債務を負う。前掲野村他133−134頁。

エ) 誤り。連帯の免除とは、「債権者が連帯債務者の1人または数人(ないし全員)に対して債務額を負担部分にかぎって請求し、それ以上請求しないこと」(前掲野村他141頁)を言う。問題文(相対的連帯免除)の場合、免除を受けたAは負担部分20万円の分割債務を負担し、残りのB、Cは、依然として連帯債務の全部給付義務、つまり60万円の給付義務を負担する。前掲野村他141頁。

オ) 正しい。この場合、本来はCの無資力(20万円)につき(ア参照)、AとBが10万円ずつ負担することになるが、Aは連帯の免除を受けているので、Aの分は債権者Dが負担することになる(445条)。前掲野村他141頁。

よって正解は3)になろう。