■2009年行政書士試験・民法第3問(物権)

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■抵当権(2009−29)【判例、条文知識問題】

Aに対して債務を負うBは、Aのために、自己が所有する土地に抵当権を設定した(他に抵当権者は存在しない)。この場合における抵当権の消滅に関する次のア)−オ)の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア) Aの抵当権が根抵当権である場合において、Bが破産手続開始の決定を受けたときは、被担保債権は確定して満足し、根抵当権は確定的に消滅する。

イ) Aの抵当権が根抵当権である場合において、元本が確定した後に、Bから土地の所有権を取得したCが、極度額に相当する金額をAに支払い、根抵当権の消滅請求をしたときは、確定した被担保債権の額が極度額を超えていたとしても、Aの根抵当権は、確定的に消滅する。

ウ) BがAに対し、残存元本に加えて、最後の2年分の利息および遅延損害金を支払った場合には、Aの抵当権は、確定的に消滅する。

エ) 第三者Cが、土地の所有権を時効によって取得した場合には、Aの抵当権は、確定的に消滅する。
オ) 第三者Cが、BのAに対する債務の全額を弁済し、その弁済と同時にAの承諾を得ていた場合には、CはAに代位することができるが、抵当権は、確定的に消滅する。

1) ア)、ウ)
2) ア)、エ)
3) イ)、エ)
4) イ)、オ)
5) ウ)、オ)

■解説

【難易度】やや難。抵当権自体が理解するのに難しいだけに、根抵当関係についての正誤判断はよりいっそう厄介であったと思う。民法改正に伴う補足事項がある(外部ブログ)。

ア) 誤り。債務者が破産手続開始の決定を受けた場合、根抵当権は確定する(398条の20第1項4号)。この確定とは、根抵当権により担保される債権が「不特定」であった状態(398条の2第1項参照)から「特定」された状態に変わる事を指すが、確定は、根抵当権の消滅とは関係がない。特定された元本債権が実際履行されなければ(満足されなければ)、根抵当権をAは実行する事ができる。淡路−鎌田−原田−生熊『民法U』 第2版(2001年、有斐閣)299頁。

イ) 正しい。法398条の22第1項。根抵当権消滅請求権である。前掲淡路他『民法U』 第2版(2001年、有斐閣)301頁。

ウ) 誤り。375条を素材にした問題であるが、同条は後順位抵当権者等との関係について、抵当権の効力範囲を調整するものであり、債務者であるBが抵当権を消滅するには、債務全額の弁済を要する。前掲淡路他248頁以下。

エ) 正しい。397条。前掲淡路他285頁以下。

オ) 誤り。第三者の弁済(474条)であるが、Cは債権者Aの同意を得てAを代位する事ができる(499条1項)。この結果Cは、Aが有していた一切の権利を行使できるようになるので(501条)、Aの抵当権を行使する事も可能である。野村−栗田−池田−永田『民法V』第2版補訂(1999年、有斐閣)220頁以下。

よって正解は3)になろう。