■2009年行政書士試験・行政救済法第7問

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■国家賠償法(2009−19)【理論、条文知識問題】

国家賠償法2条にいう公の営造物に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 公の営造物とは、国や公共団体が所有するすべての物的施設をいうわけではなく、公の用に供しているものに限られる。

2) 公の営造物の設置又は管理の瑕疵とは、公の営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいうが、賠償責任が成立するのは、当該安全性の欠如について過失があった場合に限られる。

3) 河川・海浜等の自然公物は公の営造物に当たらないが、これに付随する堤防や防波堤は人工公物であり公の営造物に当たるので、賠償責任が成立するのは、堤防等に起因する損害の場合に限られる。

4) 公の営造物の管理者と費用負担者とが異なる場合、被害者に対して損害賠償責任を負うのは、費用負担者に限られる。

5) 公の営造物の設置または管理に起因する損害について賠償を請求することができるのは、その利用者に限られる。

■解説

【難易度】易しい。

1) 正しい。「国、公共団体が管理していても、公の用に供されていない物は国家賠償法2条の営造物ではない」(塩野宏『行政法U』第6版〔2019年、有斐閣〕57頁)。

2) 誤り。前半は正しいが(最判昭和59年1月26日)、国家賠償法2条の責任は無過失責任である(最判昭和45年8月20日)。前掲塩野359頁。なおこの無過失責任は、結果責任とは異なるので注意。塩野363頁。

3) 誤り。河川や、湖沼、海浜といった自然公物は、2条にいう営造物に該当すると解される(前掲塩野358頁参照)。

4) 誤り。この場合、管理者、費用負担者両者共に損害賠償責任を負う(3条1項)。

5) 誤り。利用者との関係で営造物に瑕疵がなくても、第三者との関係で営造物が被害を発生させる場合がある(機能的瑕疵供用関連瑕疵)。空港騒音などがその例だが、最高裁は、2条を根拠とした第三者による損害賠償請求を肯定している(最大判昭和56年12月16日)。前掲塩野364−365頁。