■2009年行政書士試験・行政救済法第5問

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■行政事件訴訟法(2009−17)【条文知識問題】

行政事件訴訟法に定められた仮の救済制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為については、行政事件訴訟法の定める執行停止、仮の義務付けおよび仮の差止めのほか、民事保全法に規定する仮処分を行うことができる。

2) 仮の義務付けおよび仮の差止めは、それぞれ義務付け訴訟ないし差止め訴訟を提起しなければ申し立てることができないが、執行停止については、取消訴訟または無効等確認訴訟を提起しなくても、単独でこれを申し立てることができる。

3) 申請に対する拒否処分に対して執行停止を申し立て、それが認められた場合、当該申請が認められたのと同じ状態をもたらすことになるので、その限りにおいて当該処分について仮の義務付けが認められたのと変わりがない。

4) 執行停止は、本案について理由がないとみえるときはすることができないのに対して、仮の義務付けおよび仮の差止めは、本案について理由があるとみえるときでなければすることができない。

5) 処分の執行停止は、当該処分の相手方のほか、一定の第三者も申し立てることができるが、処分の仮の義務付けおよび仮の差止めは、当該処分の相手方に限り申し立てることができる。

■解説

【難易度】普通。条文知識問題であるが、改正項目の理解はちょっととっつきにくいということもあるので、難易度を普通にしている。今後も改正項目は要注意である。

1) 誤り。民事保全法上の仮処分は認められていない(44条)。

2) 誤り。仮の義務付け、仮の差止についての説明は正しいが(37条の5第1、2項)、執行停止についても取消訴訟、無効等確認訴訟の提起が必要である(25条1項、38条3項)。

3) 誤り。例えば営業免許取消処分に執行停止が認められた場合、営業をすることについて原状回復機能が働くが、申請の拒否処分についての執行停止はこのようなことがなく、せいぜい「申請があった状態に戻る」にすぎない(塩野宏『行政法U』第6版〔2019年、有斐閣〕190頁)。よってこのような場合の救済は、仮の義務付けを実際に申立なければならない。

4) 正しい。執行停止につき25条4項、仮の義務付け、仮の差止につき法37条の5第1項、2項。

5) 誤り。仮の義務付けや仮の差止は、義務付けの訴えや差止の訴えがあった場合に行われるが、本訴の原告適格は処分の相手方にとどまらない(37条の2第3項、37条の4第3項)ので、仮の救済の申立も処分の相手方に限られないことになろう。