■2009年行政書士試験・行政救済法第3問

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■行政不服審査法(2009−15)【理論、条文知識問題】

次の記述のうち、行政不服審査法に関する問題点として、次の解説文中の空欄(A)に挿入すべきでないものはどれか(法改正に伴い記述を改めた)。

1962(昭和37)年制定の行政不服審査法は、それ以前の訴願法と比べれば、権利救済制度として大きく改善されたが、「(A)という問題点も指摘されていた」。また、1993(平成5)年の行政手続法の制定や2004(平成16)年の行政事件訴訟法改正などとの関係で、見直しが必要だと考えられるようになった。このため、行政不服審査法の抜本的な改正が検討され、2014年(平成26)年新行政不服審査法が参議院で可決、成立した。

1) 行政不服審査法によらない不服申立ての仕組みが多数あるため、一般国民にとってわかりづらく、利用しづらい制度になっている。

2) 取消訴訟を提起するためには不服申立てに対する裁決または決定を経ることが原則とされているため、権利救済の途が狭められている。

3) 審理にかなり時間を要しているのが実態であるため、簡易迅速という特色が生かされていない。

4) 行政権の自己審査であるため、審理手続の運用において公平さに欠けるところが多い。

5) 不服申立て期間が短いため、権利救済の機会が狭められている。

■解説

【難易度】なお旧法改正の経緯については、宇賀克也『行政不服審査法の逐条解説』(2015年、有斐閣)1−4頁参照。

1) 挿入できる。前掲塩野11−12頁参照。行政不服審査法1条2項参照。

2) 挿入できない。よってこれが正解である。行政事件訴訟法は、自由選択主義を「原則」とし(8条1項本文)、本肢の様な不服申立前置主義を例外とする(8条1項但書)からである。なお改正行政不服審査法と同時に成立した「行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」は、不服申立前置制度の整理見直しを行っている。前掲宇賀324−325頁。

3) 挿入できる。このため新法では、標準審理期間制度(16条)や計画的審理制度(37条)が導入された。前掲宇賀83頁以下、147頁以下。

4) 挿入できる。このため新法では、審査員制度(9条)や行政不服審査会等への諮問制度(43条)が導入された。前掲宇賀55頁以下、173頁以下。

5) 挿入できる。このため新法では、不服申立期間が60日(旧14条1項)から「処分があったことを知った日の翌日から起算して3月」(18条1項。審査請求)に延長された。前掲宇賀90頁。