■2009年行政書士試験・商法第2問

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■定款(2009−37)

株式会社の株主等の閲覧権に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、甲株式会社(以下、甲会社という)は、会社法上の公開会社とする。

1) 会社設立時に株式会社が発行する株式数は、会社法上の公開会社の場合には、発行可能株式総数の4分の1を下回ることができないため、定款作成時に発行可能株式総数を定めておかなければならないが、会社法上の公開会社でない会社の場合には、発行株式数について制限がなく、発行可能株式総数の定めを置かなくてよい。

2) 株式会社は株券を発行するか否かを定款で定めることができるが、会社法は、株券を発行しないことを原則としているので、株券を発行する旨を定款に定めた会社であっても、会社は、株主から株券の発行を請求された段階で初めて株券を発行すれば足りる。

3) 株主総会は株主が議決権を行使するための重要な機会であるため、本人が議決権を行使する場合のほか、代理人による議決権行使の機会が保障されているが、会社法上の公開会社であっても、当該代理人の資格を株主に制限する旨を定款に定めることができる。

4) 取締役会は、取締役が相互の協議や意見交換を通じて意思決定を行う場であるため、本来は現実の会議を開くことが必要であるが、定款の定めにより、取締役の全員が書面により提案に同意した場合には、これに異議を唱える者は他にありえないため、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなすことができる。

5) 取締役会設置会社は監査役を選任しなければならないが、会社法上の公開会社でない取締役会設置会社の場合には、会計監査人設置会社であっても、定款で、監査役の監査権限を会計監査に限定することができる。

■解説

1) 誤り。公開、非公開会社のいずれも、「株式会社成立時」までに発行可能株式総数を定款で定めなければならない(会社法37条1項)。公開会社についての「4倍ルール」に関する記述は正しい(37条3項本文)。神田秀樹『会社法』第11版(2009年、弘文堂)41頁。

2) 誤り。公開会社である株券発行会社は、株式発効日以後地帯なく株券を交付しなければならない(215条1項。非公開会社で株券発行会社の場合に注意。同条4項)。株券不発行原則についての説明は正しい(214条参照)。前掲神田84頁。

3) 正しい。代理人による議決権行使について310条1項。代理人の資格の限定については、最判昭和43年11月1日。前掲神田170頁。

4) 誤り。370条の問題であるが、この「みなし決議」については例外がある。同条かっこ書参照。前掲神田196頁。

5) 誤り。取締役会設置会社は、監査役の設置が必要である(327条2項)。前掲神田162頁。この点は正しいが、非公開会社が監査役の監査範囲を会計検査に限定できるという389条1項は、会計監査人設置会社には適用されない。この点が誤りである。前掲神田217頁。