■2010年行政書士試験・法令科目多肢選択式第2問

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■原告適格(2010−42)【条文知識問題】

取消訴訟の原告適格に関する次の文章の空欄(ア)−(エ)に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1−20)から選びなさい。

平成16年(2004年)の行政事件訴訟法(以下、「行訴法」という。)改正のポイントとして、取消訴訟の原告適格の拡大がある。

取消訴訟の原告適格につき、行訴法9条(改正後の9条1項)は、「処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき(ア)を有する者……に限り、提起することができる。」と定めているが、最高裁判例は、ここでいう「当該処分の取消し求めるにつき『(ア)を有する者』とは、当該処分により自己の権利若しくは(イ)を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう」と解してきた。

しかしながら、裁判実務上の原告適格の判断が狭いとの批判があり、平成16年改正により新たに行訴法9条に第2項が加えられ、「裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する(ア)の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき(ウ)の内容及び性質を考慮するものとする」ことが規定された。そしてこの9条2項は、(エ)の原告適格についても準用されている。

1) 差止め訴訟 2) 法律上の利益 3) 権限 4) 憲法上保護された利益 5) 事実上の利益 6) 住民訴訟 7) 実質的当事者訴訟 8) 損害 9) 利益 10) 法律上保護された利益 11) 訴訟上保護された利益 12) 立法目的 13) 訴訟上の利益  14) 公益 15) うべかりし利益 16) 不作為の違法確認訴訟 17) 法的地位 18) 公共の福祉 19) 紛争 20) 形式的当事者訴訟

■解説

【難易度】普通。イ)、ウ)に入れる語句の判別がやや難しいかもしれない。

ア) 2)「法律上の利益」。「処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者…に限り、提起することができる」(行政事件訴訟法9条1項)。

イ) 10)「法律上保護された利益」。9条の「法律上の利益を有する者」の解釈論については、「法律上保護された利益説」(原告適格の範囲について、被侵害利益を処分の根拠法規が保護しているかで判断する)と「法律上保護に値する利益説」(原告適格の範囲につき、原告の利益は法律によって保護されたものに限定されず、事実上の利益でも足りる)の対立があるが、判例は前説にたつ。塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)131頁以下、特に139頁以下参照。

ウ) 9)「利益」。9条2項は、「裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する(ア法律上の利益の有無)を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき(ウ利益)の内容及び性質を考慮するものとする」と定める。改正法については、前掲塩野124頁以下参照。

エ) 1) 差止め訴訟。37条の4第4項。なお37条の2第4項も参照。