■2010年行政書士試験・民法第6問(債権)

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■委任、事務管理(2010−32)【条文知識問題】

AはBのためにある事務処理を行った。これが、【1】A・B間における委任契約に基づく債務の履行である場合と、【2】Bのために行った事務管理である場合とに関する次のア)−オ)の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア) Aは、【1】の場合において、事務の処理に関して費用を要するときは、Bに対しその費用の前払いを請求することができるのに対し、【2】の場合には、Bに対し事務の管理により生じる費用の前払いを請求することができない。

イ) Aは、【1】の場合には、事務を処理するために善良なる管理者の注意をもって必要と判断した費用についてBに対し償還請求をすることができるのに対し、【2】の場合には、Bのために有益であった費用についてのみBに対し償還請求をすることができる。

ウ) Aは、【1】の場合には、Bを代理する権限が法律上当然には認められないのに対し、【2】の場合には、Bを代理する権限が法律上当然に認められる。

エ) Aは、【1】の場合には、事務を処理するにあたって受け取った金銭をBに引き渡さなければならないが、【2】の場合には、Bに対しそのような義務を負わない。

オ) Aは、【1】の場合には、委任の終了後に遅滞なくBに事務処理の経過および結果を報告しなければならないのに対し、【2】の場合には、事務管理を終了しても、Bの請求がない限り、事務処理の結果を報告する義務を負わない。

1) ア)、イ)
2) ア)、オ)
3) イ)、エ)
4) ウ)、エ)
5) ウ)、オ)

■解説

【難易度】普通。

ア) 正しい。委任の場合は事務処理費用の前払請求が可能であるが(649条)、事務管理では認められていない。

イ) 正しい。委任の場合の善管注意義務、必要費については(644、650条1項)。事務管理については702条1項。

ウ) 誤り。委任に代理権授与が常に伴うとは限らない。内田貴『民法U』初版(1997年、東大出版会)269−270頁。また事務管理は、Bを代理する権限が認められるわけではない。よってAがBの名でした契約はBに帰属しない(無権代理になる)。前掲内田515頁。

エ) 誤り。事務管理も委任の場合と同様の義務を負う(646、701条)。

オ) 誤り。事務管理も委任の場合と同様の義務を負う(645、701条)。

よって正解は1)のア)、イ)となろう。