■2010年行政書士試験・民法第2問(総則)

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■時効中断(2010−28)【判例、条文知識問題】

時効中断の効力に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、誤っているものはどれか。

1) 債務者Aの債権者Bに対する債務の承認によって被担保債権の時効が中断した場合に、物上保証人Cは、当該被担保債権について生じた消滅時効中断の効力を否定することはできない。

2) 物上保証人Aに対する抵当権の実行により、競売裁判所が競売開始決定をし、これを債務者Bに通知した場合には、被担保債権についての消滅時効は中断する。

3) 要役地である甲地をA・B・Cの3人が共有しているが、承役地である乙地の通行地役権について消滅時効が進行している場合に、Aのみが通行地役権を行使して消滅時効を中断したときは、時効中断の効力はA・B・Cの3人に及ぶ。

4) 甲地の共有者A・B・Cの3人が乙地の上に通行地役権を時効取得しそうな場合に、乙地の所有者Dは、A・B・Cのうち誰か1人に対して時効の中断をすれば、時効中断の効力はA・B・Cの3人に及ぶ。

5) A所有の甲土地をB・Cの2人が占有して取得時効が完成しそうな場合に、AがBに対してだけ時効の中断をしたときは、Bの取得時効のみ中断され、Cの取得時効は中断されることはない。

■解説

【難易度】易しい。条文知識レヴェルで対処できよう。民法改正に伴う補足事項がある(外部ブログ)。

1) 正しい。物上保証人は、担保物権の附従性や民法396条の趣旨から、債務者の承認により被担保債権について生じた消滅時効中断の効力を否定することができないというのが判例である(最判平成7年3月10日)。山田−河内−安永−松久『民法T』第3版補訂(2007年、有斐閣)244頁。

2) 正しい。最判昭和50年11月21日。前掲山田他241頁。

3) 正しい。292条。

4) 誤り。この場合、A−C全員に対し中断をしなければ時効中断の効果は生じない(284条2項)。

5) 正しい。中断の相対効(148条)である。時効が進行している権利関係の当事者が複数の場合、中断行為に関与した当事者間のみで時効は中断する。前掲山田他244頁。