■2010年行政書士試験・憲法第2問

行政書士合格講座2010年行政書士試験の問題解説>2010年行政書士試験・憲法第2問

このサイトについて・プライバシーポリシー 憲法学の窓・公務員試験対策室 Site Map

■法の下の平等(2010−4)【判例問題】

次の文章は、平等原則について、先例として引用されることの多い最高裁判所判決の一部である。文中の空欄(ア)−(エ)にあてはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。

思うに、憲法14条1項及び地方公務員法13条にいう社会的身分とは、人が社会において占める継続的な地位をいうものと解されるから、高令 (齢) であるということは右の社会的身分に当らないとの原審の判断は相当と思われるが、右各法条は、国民に対し、法の下の平等を保障したものであり、右各法条に列挙された事由は(ア)なものであって、必ずしもそれに限るものではないと解するのが相当であるから、原判決が、高令 (齢) であることは社会的身分に当らないとの一事により、たやすく上告人の……主張を排斥したのは、必ずしも十分に意を尽したものとはいえない。しかし、右各法条は、国民に対し(イ)な平等を保障したものではなく、差別すべき(ウ)な理由なくして差別することを禁止している趣旨と解すべきであるから、(エ)に即応して(ウ)と認められる差別的取扱をすることは、なんら右各法条の否定するところではない。
(最大判昭和39年5月27日民集18巻4号676頁以下)

ア/イ/ウ/エ
1) 具体的/形式的/客観的/事柄の性質
2) 例示的/絶対的/合理的/公共の福祉
3) 例示的/相対的/合理的/事柄の性質
4) 具体的/一般的/実質的/公共の福祉
5) 例示的/絶対的/合理的/事柄の性質

■解説

【難易度】易しい。14条に関する基礎的知識があれば、当該判例を知らなくとも正解に達し得る。

14条1項前段の「法の下の平等」とは、@「法内容の平等」即ち立法者をも拘束するものであり(立法者拘束説)、A平等は絶対的平等ではなく、合理的な差別(区別)を許容する「相対的平等」を意味する、と解されている。
B一方14条1項後段には、人種、信条といった差別事由が列挙されているが、これらはあくまで例示的(例示説)なものであり、これらの事由に該当しない差別も前段によって禁止されている(通説、判例)、と解されている。

以上の知識をもとにすると、ア)例示的、イ)絶対的、ウ)合理的、までは穴埋できる。あとは2)か5)のどちらを選ぶべきかであるが、男女、収入等といった「エ)『事柄の性質』に応じた取扱」という発想があれば、5)を正解として選ぶことになる。芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第5版(2011年、岩波書店)128頁以下。