■2010年行政書士試験・行政救済法第7問

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■国家賠償法2条(2010−20)【判例問題】

道路の設置管理に関する国家賠償についての次の記述のうち、判例に照らし、妥当なものはどれか。

1) 国家賠償の対象となるのは、道路の利用者の被害に限られ、沿道住民の騒音被害については、道路管理者は、賠償責任を負わない。

2) 土砂崩れによる被害を防止するために多額の費用を要し、それについての予算措置が困難である場合は、道路管理者は、こうした被害についての賠償責任を免れる。

3) 道路上に放置された故障車に追突して損害を被った者がいたとしても、道路自体に暇疵があったわけではないから、道路管理者が賠償責任を負うことはない。

4) ガードレールの上に腰掛けるなどの通常の用法に即しない行動の結果生じた損害についても、道路管理者は、賠償責任を負う。

5) 道路の欠陥を原因とする事故による被害についても、道路管理者は、それを原状に戻すことが時問的に不可能であった場合には、賠償責任を負わない。

■解説

【難易度】易しい。基礎的な判例の知識があれば解ける問題である。

1) 誤り。「公物本来の用法としてはその利用者にとっては瑕疵がない場合でも、第三者との関係で、被害を発生させる場合」、道路の利用者にとっては瑕疵がなくとも道路を起因として住民に被害が生じれば、道路管理者は賠償の責めを負う場合があり得る(最判平成7年7月7日)。塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)364−365頁、櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)384−385頁。

2) 誤り。道路の設置、管理責任については「予算抗弁の排斥」が示されている(最判昭和45年8月20日)。前掲塩野359頁、櫻井他372頁。

3) 誤り。道路上の長時間(87時間)故障車が放置され、そこにバイクが衝突し人身事故が発生したケースにつき、最高裁は道路管理の瑕疵を認めている(最判昭和50年7月25日)。前掲塩野359頁、櫻井他382頁。

4) 誤り。営造物本来の用法であれば損害は生じないはずなのに、これによらなかったため損害が発生した時は、営造物管理責任はない(最判昭和53年7月4日)。前掲塩野364頁、櫻井他383頁。

5) 正しい。道路が客観的に安全を欠く場合でも、安全策を講ずる余裕がない場合、道路管理の瑕疵はないと解される。最判昭和50年6月26日。前掲塩野359−360頁、櫻井他382−383頁。