■2010年行政書士試験・行政救済法第6問

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■国家賠償法(2010−19)【理論問題】

国家賠償請求訴訟に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 国家賠償を請求する訴訟は、民事訴訟であるから、その訴訟手続について行政事件訴訟法が適用されることはない。

2) 処分の違法を理由として国家賠償を請求する訴訟を提起するためには、事前に、当該処分についての取消判決により、その違法性を確定しておく必要がある。

3) 処分に対する取消訴訟の出訴期間が経過して、処分に不可争力が生じた場合には、その違法を理由として国家賠償を請求する訴訟を提起することはできない。

4) 処分に対する取消訴訟に当該処分の違法を理由とする国家賠償を請求する訴訟を併合して提起することは許されない。

5) 国家賠償を請求する訴訟の被告とされるのは国または地方公共団体に限られ、それ以外の団体が被告となることはない。

■解説

【難易度】普通。過去問のレヴェルで正解に達することができると思う。

1) 正しい。国家賠償請求権は私権と解されており、これについての訴訟は「全面的に民事訴訟の適用をみる」からである。塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)378頁。

2) 誤り。頻出の肢である。取消判決を得ることなく、いきなり国家賠償請求訴訟を提起し得る。塩野宏『行政法T』第5版(2009年、有斐閣)119頁、櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)147−148頁。

3) 誤り。国家賠償請求訴訟の提起は可能である。国家賠償請求が仮に認容されたとしても、当該行政行為の違法性が確定されただけであって、不可争力が発生した処分には何も影響を及ぼさないからである。

4) 誤り。本肢のような併合も可能である(行政事件訴訟法16条1項。取消訴訟と国家賠償請求は関連請求である〔13条1号〕)。

5) 誤り。過去にも出題があった肢である。国又は地方公共団体以外の団体でも、公権力を行使する団体であれば、国家賠償法1条の「国又は地方公共団体」に含まれる。塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)320頁。前掲櫻井他366頁。