■2010年行政書士試験・行政救済法第3問

行政書士合格講座2010年行政書士試験の問題解説>2010年行政書士試験・行政救済法第3問

このサイトについて・プライバシーポリシー 憲法学の窓・公務員試験対策室 Site Map

■訴訟類型(2010−16)【理論、条文知識問題】

次のア)−オ)の訴えのうち、抗告訴訟にあたるものの組合せはどれか。

ア) 建築基準法に基づき私法人たる指定確認検査機関が行った建築確認拒否処分の取消しを求める申請者の訴え。

イ) 土地収用法に基づく都道府県収用委員会による収用裁決において示された補償額の増額を求める土地所有者の訴え。

ウ) 土地収用法に基づく都道府県収用委員会による収用裁決の無効を前提とした所有権の確認を求める土地所有者の訴え。

エ) 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づき許可を得ている原子炉施設の運転の差止めを運転者に対して求める周辺住民の訴え。

オ) 住民基本台帳法に基づき、行政機関が住民票における氏名の記載を削除することの差止めを求める当該住民の訴え。

1) ア)、イ)
2) ア)、オ)
3) イ)、ウ)
4) ウ)、エ)
5) エ)、オ)

■解説

【難易度】やや難しい。ア)、ウ)、オ)が難しいかと思われる。

1) 抗告訴訟である。指定確認検査機関は私法人であっても、それがなした建築確認拒否処分の取消しを争うには抗告訴訟による(最判平成17年6月24日。行政事件訴訟法21条1項についての事案)。塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)321頁、櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)304−305頁。

イ) 形式的当事者訴訟である。行政事件訴訟法4条前段。どのテキストにも出てくる有名な例(土地収用法133条)である。前掲塩野268頁、櫻井他351頁。

ウ) 争点訴訟である。45条。前掲塩野234頁、櫻井他357−358頁。争点訴訟自体は民事訴訟であるが、先決問題とは言え行政行為の効果が問題となっているので、行政事件訴訟法は争点訴訟につき特別の規定をおいている。

エ) 民事訴訟である。もんじゅ原発訴訟(最判平成4年9月22日)が素材となっている。なお原子炉施設の運転差止と、原子炉設置許可の無効確認訴訟の関係については、前掲塩野230−231頁参照。

オ) 抗告訴訟である。最判平成11年1月21日は、住民基本台帳法7条4号についての記載行為を法的効果はなく、抗告訴訟の対象にならないとするが、同法同条1号氏名の記載行為については、選挙権の観点から法的効果を有する(抗告訴訟の対象になる)としている。

よって正解は2)となろう。