■2011年行政書士試験・行政組織法第3問

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■複合問題(2011−26)【判例問題】

次のア)−エ)の記述のうち、道路をめぐる裁判に関する最高裁判所の判決の要旨として、正しいものの組合せはどれか。

ア) 里道は住民に個別的具体的な利益をもたらすものではなく、その用途廃止により住民の生活に支障が生じるとしても、住民に里道の用途廃止処分の取り消しを求めるについての原告適格が認められる余地はない。

イ) 道路が権原なく占有された場合には、当該道路の道路管理者は、占有者に対し、占用料相当額の損害賠償請求権又は不当利得返還請求権を取得する。

ウ) 建築基準法42条2項によるいわゆる二項道路の指定が一括指定の方法でされた場合、これによって直ちに個別の土地について具体的な私権制限が生じるものでないから、当該指定は抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらない。

エ) 国道の改築工事として地下横断歩道が設置された結果、消防法違反の状態となったガソリンタンクを移設しなければならなくなった場合、その移設にかかった費用は、損失補償の範囲には含まれない。

1) ア)、イ)
2) ア)、エ)
3) イ)、ウ)
4) イ)、エ)
5) ウ)、エ)

■解説

【難易度】やや難しい。

ア) 誤り。最判昭和62年11月24日は、里道の用途廃止の結果各方面への交通が妨げられる等その生活に著しい支障が生ずるような特段の事情があるといえないときは、里道用途廃止処分取消についての原告適格は認められない、としている。つまりここでいう特段の事情があれば原告適格は認められるわけである。

イ) 正しい。最判平成16年4月23日。道路上にはみ出す状態で存在する自販機をめぐって、都が占有料相当額を請求しない不作為が問題となった事案である。

ウ) 誤り。同条項のみなし道路の一括指定に付き、処分性を認めるのが判例である。塩野宏『行政法U』第4版(2005年、有斐閣)101頁。

エ) 正しい。ガソリンタンクは道路から一定距離以上を保った場所でなければ設置ができないが、道路が拡張した等の理由で移転を余儀なくされた場合、その移設費用はタンク設置者が負うとするのが判例である(最判昭和58年2月18日)。前掲塩野330頁、櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)395頁。

よって正解は、4)のイ)、エ)となろう。