■2011年行政書士試験・行政組織法第2問

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■安全配慮義務(2011−25)【判例問題】

次の文章は、公務員に対する国の損害賠償責任の成立が争点となった事案の最高裁判所判決の一節である。空欄(ア)−(エ)に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。

思うに、国と国家公務員…との間における主要な義務として、法(国家公務員法、自衛隊法)は、公務員が(ア)義務…並びに法令及び上司の命令に従うべき義務…を負い、国がこれに対応して公務員に対し(イ)義務…を負うことを定めているが、国の義務は右の…義務にとどまらず、国は、公務員に対し、国が公務遂行のために設置すべき場所、施設もしくは器具等の設置管理又は公務員が国もしくは上司の指示のもとに遂行する公務の管理にあたつて、公務員の生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務…を負つているものと解すべきである。(中略)右のような(ウ)義務は、ある法律関係に基づいて(エ)の関係に入つた当事者間において、当該法律関係の付随義務として当事者の一方又は双方が相手方に対して信義則上負う義務として一般的に認められるべきものであつて、国と公務員との間においても別異に解すべき論拠はなく、(後略)。
(最三小判昭和50年2月25日民集29巻2号143頁以下)

1) ア) 品位を保持する イ) 身分保障 ウ) 危険防止 エ) 特別な社会的接触

2) ア) 職務に専念すべき イ) 給与支払 ウ) 安全配慮 エ) 特別な社会的接触

3) ア) 職務に専念すべき イ) 身分保障 ウ) 安全配慮 エ) 特別な権力

4) ア) 品位を保持する イ) 給与支払 ウ) 安全配慮 エ) 特別な権力

5) ア) 職務に専念すべき イ) 給与支払 ウ) 危険防止 エ) 特別な権力

■解説

【難易度】普通。

公務員に対する国の、ウ)安全配慮義務の成立が問題となった事案である。この事案は、公務中死亡した自衛官の遺族が、国に対する賠償請求をしようとしたが、すでに時効期間(724条)が過ぎていたため、遺族側が契約責任の1つである安全配慮義務という法律構成(時効期間を10年にできる。なお本判例が、会計法30条による消滅時効の成立について否定している点には注意)で賠償請求したというものである。内田貴『民法V』初版(1996年、東大出版会)121頁以下。

正解は2)である。ア)、イ)については国家公務員法62条以下、101条。