■2011年行政書士試験・行政救済法第7問

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■国家賠償法1条(2011−20)【判例問題】

国家賠償法1条1項の要件をみたす場合の責任の主体に関する次のア)−エ)の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア) 指定確認検査機関の建築確認処分に起因する私人の損害について、当該事務の帰属する地方公共団体は、国家賠償責任を負うことはない。

イ) 都道府県の警察官の犯罪捜査が、検察官の犯罪の捜査の補助に係るものであっても、当該警察官の捜査に起因する私人の損害について、国が国家賠償責任を負うことはない。

ウ) 児童福祉法に基づいて、都道府県が要保護児童を社会福祉法人の設置運営する児童養護施設に入所させている場合、当該施設の職員の養育監護行為に起因する児童の損害について、当該事務の帰属する都道府県が国家賠償責任を負うことがある。

エ) 都道府県の警察官が制服制帽を着用して職務行為を装い強盗した場合、被害者に対し当該都道府県が国家賠償責任を負うことがある。

1) ア)、ウ)
2) ア)、エ)
3) イ)、ウ)
4) イ)、エ)
5) ウ)、エ)

■解説

【難易度】普通。

ア) 誤り。最決平成17年6月24日。櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)366−367頁。

イ) 誤り。最判昭和54年7月10日。都道府県警察が行う交通犯罪の捜査に付き、「検察官が自ら行う犯罪の捜査の補助に係るものであるとき(刑訴法193条3項参照)のような例外的な場合を除いて、当該都道府県の公権力の行使にほかならないものとみるべき」として、国の国家賠償責任を否定しているが、ここで述べられた「例外的な場合」国が国家賠償責任を負うことはあり得る、ということになろう。塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)321頁。

ウ) 正しい。最判平成19年1月25日。前掲塩野322頁、櫻井他367頁。

エ) 正しい。最判昭和31年11月30日。頻出の肢である。前掲塩野350頁、櫻井他367頁。

よって正解は、ウとエの5)となろう。