■2011年行政書士試験・行政救済法第4問

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■内閣総理大臣の異議(2011−17)【条文知識問題】

執行停止についての内閣総理大臣の異議についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 内閣総理大臣の異議は、裁判所による執行停止決定の後に述べなければならず、決定を妨げるために決定以前に述べることは許されない。

2) 内閣総理大臣の異議は、下級裁判所による執行停止決定に対するものでも、最高裁判所に対して述べることとされている。

3) 内閣総理大臣の異議が執行停止決定に対して述べられたときは、その理由の当否について裁判所に審査権限はなく、裁判所は、必ず決定を取り消さなければならない。

4) 内閣総理大臣が異議を述べたときは、国会に承認を求めなければならず、これが国会によって否決された場合には、異議を取り消さなければならない。

5) 内閣総理大臣の異議の制度については、違憲ではないかとの疑義もあり、実際にも用いられた例が少ないため、他の抗告訴訟における仮の救済手続には準用されていない。

■解説

【難易度】普通。大問1つ内閣総理大臣の異議にあてるというのは、近年例を見ないことである。

1) 誤り。執行停止の申立(行政事件訴訟法25条2項)があった段階即ち執行停止決定前にも、異議を述べることができる(27条1項)。

2) 誤り。執行停止の決定をした裁判所に異議を申し立てるのが原則である(27条5項本文)。

3) 正しい。このように解されている。塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)222頁。

4) 誤り。異議を述べた場合は、「次の常会において国会に報告しなければならない」(27条6項)のである。

5) 誤り。疑義についての説明は正しい。また内閣総理大臣の異議の制度は、過去には集団示威行進において適用例が見られたが、近年は適用例を見ない(前掲塩野222頁)。なお仮の救済手続についての準用はある(37条の5第4項)。