■2011年行政書士試験・行政救済法第3問

行政書士合格講座2011年行政書士試験の問題解説>2011年行政書士試験・行政救済法第3問

このサイトについて・プライバシーポリシー 憲法学の窓・公務員試験対策室 Site Map

■当事者訴訟(2011−16)【理論問題】

A県収用委員会は、起業者であるB市の申請に基づき、同市の市道の用地として、2000万円の損失補償によってX所有の土地を収用する旨の収用裁決(権利取得裁決)をなした。この場合についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) Xが土地の収用そのものを違法として争う場合には、収用裁決の取消しを求めることとなるが、この訴訟は、B市を被告とする形式的当事者訴訟となる。

2) 収用裁決が無効な場合には、Xは、その無効を前提として、B市を被告として土地の所有権の確認訴訟を提起できるが、この訴訟は、抗告訴訟である。

3) Xが収用裁決に示された損失補償の額に不服がある場合には、A県を被告として、損失補償を増額する裁決を求める義務付け訴訟を提起すべきこととなる。

4) Xが収用裁決に示された損失補償の増額を求める訴訟を提起する場合については、裁決書が送達された日から法定の期間内に提起しなければならない。

5) 収用裁決に示された損失補償の額について、高額に過ぎるとしてB市が不服であるとしても、行政機関相互の争いで、法律上の争訟には当たらないから、B市が出訴することは許されない。

■解説

【難易度】難しい。

1) 誤り。この場合、収用裁決の取消しを求めるという点は正しいが、被告はBではなくA県収用委員会が所属する「A県」である。またこの場合の訴訟は抗告訴訟である。

2) 誤り。この場合、所有権確認訴訟を提起するという点は正しいが、この訴訟は争点訴訟(行政事件訴訟法45条)と解されよう。なお争点訴訟は、民事訴訟である。櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)357−358頁。

3) 誤り。この場合、「起業者」Bを被告として(土地収用法133条3項)、訴訟を提起することになる(土地収用法133条2項。形式的当事者訴訟)。前掲櫻井他351頁。

4) 正しい。土地収用法133条2項。

5) 誤り。この場合、BがAを訴えるのではなく、Bは「土地所有者」Xを被告として(土地収用法133条3項)、損失補償額減額のための訴訟を提起することになる(土地収用法133条2項。これも形式的当事者訴訟である)。