■2011年行政書士試験・行政救済法第2問

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■行政不服審査法(2011−15)【判例問題】

次の文章は、行政不服審査法旧14条1項の規定する「処分があったことを知った日」の解釈が争点となった事案の最高裁判所判決の一節である。空欄(ア)−(エ)に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか(法改正に伴い記述を改めた)。

行政不服審査法14条1項本文の規定する「処分があったことを知った日」というのは、処分がその名あて人に個別に通知される場合には、その者が処分のあったことを(ア)のことをいい、(イ)というだけでは足りない…。しかし、都市計画法における都市計画事業の認可のように、処分が個別の通知ではなく告示をもって多数の関係権利者等に画一的に告知される場合には、そのような告知方法が採られている趣旨にかんがみて、上記の「処分があったことを知った日」というのは、(ウ)をいうと解するのが相当である…。以上によれば、前記のとおり、本件認可の告示がされたのは平成8年9月13日であり、被上告人がこれに対する審査請求をしたのは同年12月2日であったというのであるから、被上告人が本件認可を(ア)がいつであるかにかかわりなく、同審査請求は行政不服審査法14条1項本文の期間を(エ)にされたものであることが明らかであり、論旨は理由がある。
(最1小判平成14年10月24日民集56巻8号1903頁以下)

行政不服審査法旧14条1項(現在は18条1項) 審査請求は、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して60日以内(当該処分について異議申立てをしたときは、当該異議申立てについての決定があつたことを知つた日の翌日から起算して30日以内)に、しなければならない。ただし、天災その他審査請求をしなかつたことについてやむをえない理由があるときは、この限りでない。

行政不服審査法18条1項 処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3月(当該処分について再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定があったことを知った日の翌日から起算して1月)を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

1) ア)現実に知った日 イ)処分があったことを知り得た ウ)告示があった日 エ)経過した後
2) ア)知り得た日 イ)処分が現実にあった ウ)告示があったことを知った日 エ)経過する前
3) ア)現実に知った日 イ)処分があったことを知り得た ウ)告示があったことを知った日 エ)経過する前
4) ア)現実に知った日 イ)処分が現実にあった ウ)告示があった日 エ)経過する前
5) ア)知り得た日 イ)処分が現実にあった ウ)告示があった日 エ)経過した後

■解説

【難易度】

正解は1)である。ア)イ)とウ)が原則−例外的な対応をしている。

処分に付き、直接「個別」的に通知されている場合は、その通知を「現実に知った日」を以って旧14条1項の「処分があったことを知った日」とすることができるが、例外として「都市計画事業の認可のように…画一的に告知される場合には」、各個々人の「現実に知った日」ではなく「告示があった日」を以って、旧14条1項の「知った日」とすることができる、ということである。塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)101頁。