■2012年行政書士試験・法令科目多肢選択式第2問

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■行政規則(2012−42)【判例問題】

次の文章は、学校行事において教職員に国歌の起立斉唱等を義務付けることの是非が争われた最高裁判所判決の一節(一部を省略)である。空欄(ア)−(エ)に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1−20)から選びなさい。

本件(ア)は、……学習指導要領を踏まえ、上級行政機関である都教委*が関係下級行政機関である都立学校の各校長を名宛人としてその職務権限の行使を指揮するために発出したものであって、個々の教職員を名宛人とするものではなく、本件(イ)の発出を待たずに当該(ア)自体によって個々の教職員に具体的な義務を課すものではない。また、本件(ア)には、……各校長に対し、本件(イ)の発出の必要性を基礎付ける事項を示すとともに、教職員がこれに従わない場合は服務上の責任を問われることの周知を命ずる旨の文言があり、これらは国歌斉唱の際の起立斉唱又はピアノ伴奏の実施が必要に応じて(イ)により確保されるべきことを前提とする趣旨と解されるものの、本件(イ)の発出を命ずる旨及びその範囲等を示す文言は含まれておらず、具体的にどの範囲の教職員に対し本件(イ)を発するか等については個々の式典及び教職員ごとの個別的な事情に応じて各校長の(ウ)に委ねられているものと解される。

そして、本件(ア)では、上記のとおり、本件(イ)の違反について教職員の責任を問う方法も、(エ)に限定されておらず、訓告や注意等も含み得る表現が採られており、具体的にどのような問責の方法を採るかは個々の教職員ごとの個別的な事情に応じて都教委の(ウ)によることが前提とされているものと解される。原審の指摘する都教委の校長連絡会等を通じての各校長への指導の内容等を勘案しても、本件(ア)それ自体の文言や性質等に則したこれらの(ウ)の存在が否定されるものとは解されない。

したがって、本件(ア)をもって、本件(イ)と不可分一体のものとしてこれと同視することはできず、本件(イ)を受ける教職員に条件付きで(エ)を受けるという法的効果を生じさせるものとみることもできない。
(最一小判平成24年2月9日裁判所時報1549号4頁)(注)*東京都教育委員会

1) 分限処分 2) 処分基準 3) 行政罰 4) 同意 5) 行政指導 6) 指示 7) 法規命令 8) 職務命令 9) 指導指針 10) 下命 11) 懲戒処分 12) 監督処分 13) 政治的判断 14) 執行命令 15) 告示 16) 審査基準 17) 裁量 18) 勧告 19) 通達 20) 行政規則

■解説

【難易度】やや難しい。かなり新しい判例からの出題であるが、君が代の伴奏をめぐっては他に日野市「君が代」ピアノ伴奏事件(最判平成19年2月27日)がある。佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)223頁。

ア) 19)「通達」。「本件(ア)は、−中略−個々の教職員を名宛人とするものではなく」という記述から穴埋めができよう。

イ) 8)「職務命令」。この個所は、学習指導要領→訓令、通達(下級機関の権限統制目的。行政機関の意思拘束)→職務命令(公務員個人を拘束)という関係を考えればよいと思われる。芝池義一『行政法総論講義』第4版(2001年、有斐閣)99頁参照。なお前記平成19年の判例も、君が代の伴奏についての職務命令を拒否したことによる戒告処分が問題となった事案である。

ウ) 17)「裁量」。エ)を参照することで何とか埋めることができようか。

エ) 11)「懲戒処分」。「違反について教職員の責任を問う方法も、(エ懲戒処分)に限定されておらず、訓告や注意等も含み得る表現が採られており、具体的にどのような問責の方法を採るかは個々の教職員ごとの個別的な事情に応じて都教委の(ウ裁量)によることが前提とされているものと解される」という個所を参照に穴埋めすることになろう。