■2012年行政書士試験・民法第4問(物権)

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■譲渡担保(2012−30)【判例問題】

譲渡担保に関する次の記述のうち、判例に照らし、誤っているものはどれか。

1) 不動産の譲渡担保において、債権者はその実行に際して清算義務を負うが、清算金が支払われる前に目的不動産が債権者から第三者に譲渡された場合、原則として、債務者はもはや残債務を弁済して目的物を受け戻すことはできず、このことは譲受人が背信的悪意者にあたるときであっても異ならない。

2) 集合動産の譲渡担保において、債権者が譲渡担保の設定に際して占有改定の方法により現に存する動産の占有を取得した場合、その対抗要件具備の効力は、その構成部分が変動したとしても、集合物としての同一性が損なわれない限り、新たにその構成部分となった動産についても及ぶ。

3) 集合動産の譲渡担保において、設定者がその目的物である動産につき通常の営業の範囲を超える売却処分をしたときは、当該譲渡担保の目的である集合物から離脱したと認められない限り、当該処分の相手方は目的物の所有権を承継取得することはできない。

4) 集合債権の譲渡担保において、それが有効と認められるためには、契約締結時において、目的債権が特定されていなければならず、かつ、将来における目的債権の発生が確実でなければならない。

5) 集合債権の譲渡担保において、当該譲渡につき譲渡人から債務者に対して確定日付のある証書によって通知が行われた場合、その対抗要件具備の効力は、将来において発生する債権についても及ぶ。

■解説

【難易度】やや難。

1) 正しい。譲渡担保の目的物が第三者へ処分されたときは、設定者の受戻権は消滅するが(最判昭和62年2月12日)、このことは第三者が背信的悪意者である場合でも異なることはない、というのが判例である(最判平成6年2月22日)。内田貴『民法V』初版(1996年、東大出版会)482頁。

2) 正しい。最判昭和62年11月10日、前掲内田487頁。

3) 正しい。最判平成18年7月20日であろう。

4) 誤り。最判平成11年1月29日であろう。集合債権の譲渡担保における目的債権発生の可能性の低さは、当該譲渡担保契約の効力を当然に左右するものではない、というのが判例である。よって本肢にいう「発生が確実」という点が誤りである。

5) 正しい。最判平成13年11月22日であろう。