■2012年行政書士試験・行政法総論第6問

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■行政裁量(2012−26)【判例問題】

行政裁量に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、誤っているものはどれか。

1) 建築主事は、一定の建築物に関する建築確認の申請について、周辺の土地利用や交通等の現状および将来の見通しを総合的に考慮した上で、建築主事に委ねられた都市計画上の合理的な裁量に基づいて、確認済証を交付するか否かを判断する。

2) 法務大臣は、本邦に在留する外国人から再入国の許可申請があったときは、わが国の国益を保持し出入国の公正な管理を図る観点から、申請者の在留状況、渡航目的、渡航の必要性、渡航先国とわが国との関係、内外の諸情勢等を総合的に勘案した上で、法務大臣に委ねられた出入国管理上の合理的な裁量に基づいて、その許否を判断する。

3) 公務員に対して懲戒処分を行う権限を有する者は、懲戒事由に該当すると認められる行為の原因、動機、性質、態様、結果、影響等のほか、当該公務員の行為の前後における態度、懲戒処分等の処分歴、選択する処分が他の公務員及び社会に与える影響等、諸般の事情を考慮した上で、懲戒権者に委ねられた合理的な裁量に基づいて、処分を行うかどうか、そして処分を行う場合にいかなる種類・程度を選ぶかを判断する。

4) 行政財産の管理者は、当該財産の目的外使用許可について、許可申請に係る使用の日時・場所・目的・態様、使用者の範囲、使用の必要性の程度、許可をするに当たっての支障または許可をした場合の弊害もしくは影響の内容および程度、代替施設確保の困難性など、許可をしないことによる申請者側の不都合または影響の内容及び程度等の諸般の事情を総合考慮した上で、行政財産管理者に委ねられた合理的な裁量に基づいて、許可を行うかどうかを判断する。

5) 5 公立高等専門学校の校長は、学習態度や試験成績に関する評価などを総合的に考慮し、校長に委ねられた教育上の合理的な裁量に基づいて、必修科目を履修しない学生に対し原級留置処分または退学処分を行うかどうかを判断する。

■解説

【難易度】やや難。

1) 誤り。建築確認は準法律行為的行政行為の「確認」に分類されるが、建築確認には基本的に裁量が認められない。櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)82頁。

2) 正しい。最判平成10年4月10日であろうか。

3) 正しい。神戸税関事件(最判昭和52年12月20日)。塩野宏『行政法T』第5版(2009年、有斐閣)129頁、前掲櫻井他111−112頁。

4) 正しい。学校施設の目的外使用が争われた最判平成18年2月7日である。前掲塩野136頁、櫻井他120頁。

5) 正しい。信仰を理由とした剣道の授業拒否とそれに対する原級留置、退学処分が争われた剣道実技事件(最判平成8年3月8日)。前掲塩野136頁、櫻井他119頁。