■2012年行政書士試験・行政法総論第5問

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■情報公開法(2012−25)【理論問題】

Xは、消費者庁長官に対して、同庁が実施したA社の製品の欠陥に関する調査の記録につき、行政機関情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)に基づき、その開示を請求したが、消費者庁長官は、A社の競争上の地位を害するため同法所定の不開示事由に該当するとして、これを不開示とする決定をした。この場合についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) Xは、不開示決定に対して、内閣府におかれた情報公開・個人情報保護審査会に対して審査請求をすることができるが、これを経ることなく訴訟を提起することもできる。

2) Xは、消費者庁長官を被告として、文書の開示を求める義務付け訴訟を提起することができる。

3) Xは、仮の救済として、文書の開示を求める仮の義務付けを申立てることができるが、これには、不開示決定の執行停止の申立てを併合して申立てなければならない。

4) Xが提起した訴訟について、A社は自己の利益を守るために訴訟参加を求めることができるが、裁判所が職権で参加させることもできる。

5) Xは、不開示決定を争う訴訟の手続において、裁判所に対して、当該文書を消費者庁長官より提出させて裁判所が見分することを求めることができる。

■解説

【難易度】普通。情報公開法の問題というより行政事件訴訟法の問題という感がある。

1) 誤り。本件不開示の決定について行政不服審査法に基づく審査請求ができる(行政不服審査法6条2号)が、情報公開・個人情報保護審査会に対し審査請求をするのではない。また本件では審査請求があった場合、消費者庁長官は同審査会に対し諮問しなければならないのである(情報公開法18条)。なお情報公開法は不服申立前置主義を採用していない

2) 誤り。行政事件訴訟において被告適格を持つのは処分庁たる消費者庁長官ではなく、消費者庁長官が属するである(行政事件訴訟法11条1項1号)。

3) 誤り。本肢のような併合の申立は必要ではないと思われる。

4) 正しい。第三者の訴訟参加であるが、第三者の申立ばかりでなく裁判所の職権によっても可能である(行政事件訴訟法22条1項)。

5) 誤り。インカメラ手続の問題である。情報公開・個人情報保護審査会にはインカメラ調査の権限があるが(情報公開・個人情報保護審査会設置法9条1、2項)、情報公開法は裁判所にこの権限を認めてはいない。櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)225頁。