■2013年行政書士試験・法令科目多肢選択式第3問

行政書士合格講座2013年行政書士試験の問題解説>2013年行政書士試験・法令科目多肢選択式第3問

このサイトについて・プライバシーポリシー 憲法学の窓・公務員試験対策室 Site Map

■当事者訴訟(2013−43)【判例問題】

次の文章は、インターネットを通じて郵便等の方法で医薬品を販売すること(以下「インターネット販売」と略する)を禁止することの是非が争われた判決の一節である(一部を省略してある)。空欄(ア)−(エ)に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1−20)から選びなさい。

本件地位確認の訴え*は、(ア)のうちの公法上の法律関係に関する確認の訴えと解することができるところ、原告らは、改正省令の施行前は、一般販売業の許可を受けた者として、郵便等販売の方法の一態様としてのインターネット販売により一般用医薬品の販売を行うことができ、現にこれを行っていたが、改正省令の施行後は、本件各規定の適用を受ける結果として、第一類・第二類医薬品についてはこれを行うことができなくなったものであり、この規制は(イ)に係る事業者の権利の制限であって、その権利の性質等にかんがみると、原告らが、本件各規定にかかわらず、第一類・第二類医薬品につき郵便等販売の方法による販売をすることができる地位の確認を求める訴えについては、……本件改正規定の(ウ)性が認められない以上、本件規制をめぐる法的な紛争の解決のために有効かつ適切な手段として、(エ)を肯定すべきであり、また、単に抽象的・一般的な省令の適法性・憲法適合性の確認を求めるのではなく、省令の個別的な適用対象とされる原告らの具体的な法的地位の確認を求めるものである以上、この訴えの法律上の争訟性についてもこれを肯定することができると解するのが相当である(なお、本件改正規定の適法性・憲法適合性を争うためには、本件各規定に違反する態様での事業活動を行い、業務停止処分や許可取消処分を受けた上で、それらの(ウ)の抗告訴訟において上記適法性・憲法適合性を争点とすることによっても可能であるが、そのような方法は(イ)に係る事業者の法的利益の救済手続の在り方として迂遠であるといわざるを得ず、本件改正規定の適法性・憲法適合性につき、上記のような(ウ)を経なければ裁判上争うことができないとするのは相当ではないと解される。)。
したがって、本件地位確認の訴えは、公法上の法律関係に関する確認の訴えとして、(エ)が肯定され、法律上の争訟性も肯定されるというべきであり、本件地位確認の訴えは適法な訴えであるということができる。」
(東京地判平成22年3月30日判例時報2096号9頁)

注)*第一類医薬品及び第二類医薬品につき店舗以外の場所にいる者に対する郵便その他の方法による販売をすることができる権利(地位)を有することの確認を求める訴え

1) 訓令 2) 表現の自由 3) 民事訴訟 4) 重大かつ明白な瑕疵 5) 精神的自由 6) 委任命令 7) 公法上の当事者訴訟 8) 行政権の不作為 9) 裁量の逸脱又は濫用 10) 原告適格 11) 抗告訴訟 12) 狭義の訴えの利益 13) 補充性 14) 行政指導 15) 営業の自由 16) 国家賠償訴訟 17) 既得権 18) 確認の利益 19) 通信の秘密 20) 行政処分

■解説

【難易度】やや難。本件地裁判決については上告審の判断がすでに出ているので(最判平成25年1月11日)、今後本試験では出題されないであろう(出題されるとすれば最高裁判決の方である〔判決文最高裁サイト〕)。

ア) 7)「公法上の当事者訴訟」。行政事件訴訟法4条の定める当事者訴訟のうち、実質的当事者訴訟の可否がここでは問題となる。

イ) 15)「営業の自由」。本件は、薬事法改正に伴う厚労省省令により、インターネット経由で一般医薬品を販売できなくなった業者が提起した訴訟であるが、この業者は、省令が薬事法の委任範囲を超えているものであり、憲法22条1項に違反していると主張した。

ウ) 20)「行政処分」。要するに判決は、「あえて省令違反行為を行う→それに基づく処分→その処分の取消訴訟において本件省令を争う→可能→しかし救済手段として迂遠」だから、確認の利益を認め当事者訴訟内で、薬品販売をできる地位と省令の関係を争わせることを認めたのである(業者は省令の無効確認、取消も併合提起しているが、これは処分性の不存在を理由に却下されている)。

エ) 18)「確認の利益」。本件のような「公法上の法律関係に関する確認の訴え」は、今後の積極利用が予想されている。つまり公権力の行使とは言えない行為についても、それを司法上争うだけの紛争の成熟性が認められる(確認の利益がある)場合、当事者訴訟経由で国民の権利利益の救済をはかっていくべきということである(前掲櫻井他353頁)。なお塩野宏『行政法U』第4版(2005年、有斐閣)237頁以下参照。