■2013年行政書士試験・地方自治法第2問

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■条例と刑罰(2013−22)【条文知識問題】

A市においては、地域の生活環境の整備を図るために、繁華街での路上喫煙を禁止し、違反者には最高20万円の罰金もしくは最高5万円の過料のいずれかを科することを定めた条例を制定した。この場合における次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 違反者に科される過料は、行政上の義務履行確保のための執行罰に当たるものであり、義務が履行されるまで複数回科すことができる。

2) 本条例に基づく罰金は、行政刑罰に当たるものであり、非訟事件手続法の定めに基づき裁判所がこれを科する。

3) 条例の効力は属人的なものであるので、A市の住民以外の者については、たとえA市域内の繁華街で路上喫煙に及んだとしても、本条例に基づき処罰することはできない。

4) 条例に懲役刑を科する旨の規定を置くことは許されていないことから、仮に本条例が違反者に対して懲役を科するものであれば、違法無効になる。

5) 長の定める規則に罰金を科する旨の規定を置くことは認められていないことから、本条例にかえて長の規則で違反者に罰金を科することは許されない。

■解説

【難易度】易しい。

1) 誤り。この条例に基づく過料は、執行罰ではなく秩序罰である。塩野宏『行政法T』第5版(2009年、有斐閣)237、250頁、櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)177、189頁。

2) 誤り。この条例に基づく罰金が行政刑罰であるという点は正しいが、行政刑罰は刑罰である以上、これを科するには刑事訴訟法の手続によることになる。前掲塩野248頁、前掲櫻井他187頁。

3) 誤り。新潟県公安条例事件(最大判昭和29年11月24日)である。条例の効力は、条例の規定や性質上住民のみを対象にしていると解される場合を除き、属地的なものであるので、A市以外の住民でも本条例に基づき処罰することができる。

4) 誤り。条例で懲役刑を科することも可能である(14条3項)。

5) 正しい。長の定める規則で過料を科することはできるが、懲役はできない(15条2項)。