■2013年行政書士試験・行政手続法第3問

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■行政手続法(2013−13)【判例問題】

次の文章は、処分の理由の提示のあり方が問題となった事案に関する、最高裁判所判決の一部である。空欄(ア)−(エ)に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。

「行政手続法14条1項本文が、(ア)をする場合に同時にその理由を(イ)に示さなければならないとしているのは、(イ)に直接に義務を課し又はその権利を制限するという(ア)の性質に鑑み、行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、処分の理由を(イ)に知らせて不服の申立てに便宜を与える趣旨に出たものと解される。

そして、同項本文に基づいてどの程度の理由を提示すべきかは、上記のような同項本文の趣旨に照らし、当該処分の根拠法令の規定内容、当該処分に係る(ウ)の存否及び内容並びに公表の有無、当該処分の性質及び内容、当該処分の原因となる事実関係の内容等を総合考慮してこれを決定すべきである。

(中略)建築士に対する上記懲戒処分については、処分内容の決定に関し、本件(ウ)が定められているところ、本件(ウ)は、(エ)の手続を経るなど適正を担保すべき手厚い手続を経た上で定められて公にされており、しかも、その内容は……多様な事例に対応すべくかなり複雑なものとなっている。そうすると、建築士に対する上記懲戒処分に際して同時に示されるべき理由としては、処分の原因となる事実及び処分の根拠法条に加えて、本件(ウ)の適用関係が示されなければ、処分の(イ)において、上記事実及び根拠法条の提示によって処分要件の該当性に係る理由は知り得るとしても、いかなる理由に基づいてどのような(ウ)の適用によって当該処分が選択されたのかを知ることは困難であるのが通例であると考えられる。」
(最三小判平成23年6月7日民集65巻4号2081頁)

ア イ ウ エ
1) 申請に対する処分 利害関係人 審査基準 聴聞

2) 不利益処分 名宛人 審査基準 聴聞

3) 申請に対する処分 利害関係人 処分基準 意見公募

4) 不利益処分 利害関係人 処分基準 聴聞

5) 不利益処分 名宛人 処分基準 意見公募

■解説

【難易度】普通。

ア) 「不利益処分」。本件は「(中略)建築士に対する上記懲戒処分」としての(ア)が問題となっていることが分かる。とすれば、「申請に対する処分」ではなく「不利益処分」が入るということになろう。なお13条1項1号ロ参照。

イ) 「名宛人」。不利益処分により「義務を課せられたり、権利を制限される」のは処分の相手方、即ち処分の「名宛人」ということになろう。

ウ) 「処分基準」。問題文より選択肢を手掛かりにした方が早く解けると思われる。(ウ)には審査基準か処分基準のどちらかが入ることになるが、「申請に対する処分」に対応するのが「審査基準」(5条)であり、「不利益処分」に対応するのが「処分基準」(12条)だから、(ア)に入れた言葉に対応する処分基準を入れることになる。

エ) 「意見公募」。ウ)までくれば消去法で(エ)を考慮するまでもなく、5)が正解ということが分かる。処分基準を「定める際の手続」なので、不利益処分の手続たる聴聞ではなく、基準そのものを定める際にしてなされた「意見公募」が(エ)に入ることになる。