■2013年行政書士試験・行政救済法第3問

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■行政事件訴訟法(2013−16)【条文知識問題】

いわゆる申請型と非申請型(直接型)の義務付け訴訟について、行政事件訴訟法の規定に照らし、妥当な記述はどれか。

1) 申請型と非申請型の義務付け訴訟いずれにおいても、一定の処分がされないことにより「重大な損害を生ずるおそれ」がある場合に限り提起できることとされている。

2) 申請型と非申請型の義務付け訴訟いずれにおいても、一定の処分をすべき旨を行政庁に命ずることを求めるにつき「法律上の利益を有する者」であれば、当該処分の相手方以外でも提起することができることとされている。

3) 申請型と非申請型の義務付け訴訟いずれにおいても、一定の処分がされないことによる損害を避けるため「他に適当な方法がないとき」に限り提起できることとされている。

4) 申請型と非申請型の義務付け訴訟いずれにおいても、「償うことのできない損害を避けるため緊急の必要がある」ことなどの要件を満たせば、裁判所は、申立てにより、仮の義務付けを命ずることができることとされている。

5) 申請型と非申請型の義務付け訴訟いずれにおいても、それと併合して提起すべきこととされている処分取消訴訟などに係る請求に「理由がある」と認められたときにのみ、義務付けの請求も認容されることとされている。

■解説

【難易度】やや難。

義務付け訴訟には、申請権を前提としない非申請型(行政事件訴訟法3条6項1号)と、申請した者が原告となり、行政に一定の処分をすべきとの義務付けを求める申請型(3条6項2号)がある。

1) 誤り。「重大な損害」の要件は、非申請型で要求される要件である(37条の2第1項)。

2) 誤り。非申請型の原告適格を有するのは「行政庁が一定の処分をすべき旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者」(37条の2第3項)であるが、申請型の場合は「法令に基づく申請又は審査請求をした者」(37条の3第2項)である。

3) 誤り。この要件が要求されるのは非申請型の場合であり(37条の2第1項)、申請型の場合では要求されていない。

4) 正しい。37条の5第1項。

5) 誤り。まず非申請型の本案勝訴要件は、行政庁がその処分をすべきことが明らかである、即ち当該処分が覊束処分であることが判明したこと又は裁量処分の場合はその処分をしないことが裁量権行使の濫用にあたること(37条の2第5項)である。一方申請型の本案勝訴要件は、非申請型の場合と同じであるが、これに「併合提起の訴訟に理由があると認められる場合」という要件が加わる(37条の3第5項)。塩野宏『行政法U』第6版(2019年、有斐閣)251−253頁、櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)333−334、338頁。