■2013年行政書士試験・法令記述式第3問

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■民法、即時取得(2013−46)

Aの指輪が、Bによって盗まれ、Bから、事情を知らない宝石店Cに売却された。Dは、宝石店Cからその指輪を50万円で購入してその引渡しを受けたが、Dもまたそのような事情について善意であり、かつ無過失であった。
盗難の時から1年6か月後、Aは、盗まれた指輪がDのもとにあることを知り、同指輪をDから取り戻したいと思っている。この場合、Aは、Dに対し指輪の返還を請求することができるか否かについて、必要な、または関係する要件に言及して、40字程度で記述しなさい。

■解説

【難易度】普通。

1) Dが、本件指輪が盗品であることにつき善意無過失であろうと、この指輪の所有権はAにある筈である。しかし民法は、動産の占有に公信力を付与し、Dが指輪の所有権を取得できる場合を認めている。これが即時取得である(192条)。
Dは、本件指輪が盗品であったことにつき、善意無過失であるから即時取得の成立は認められるだろう(「平穏公然」の要件は186条1項で推定される。なお「善意」は186条1項、「無過失」は188条で推定される〔後者につき最判昭和41年6月9日〕)。

2) しかし民法は、即時取得の目的物が「盗品、遺失物」の場合、真の権利者の保護のため即時取得を猶予する制度を有している(193条)。この結果Dの即時取得は「2年間猶予される」(問題文の「盗難の時から1年6か月後」に注意)ことになりそうだが、これについては193条の特則たる194条で修正がくわえられている。

3) 194条は、「占有者(D)が、盗品を、公の市場(一般の店舗。ここでは宝石商C)において、善意で買い受けたときは、被害者(A)は、占有者(D)が支払った代価(50万円)を弁償しなければ、その物(Aの指輪)を回復することができない」規定するが、本問はこれを記述することになる。

解答としては次のようになろうか。
「Aは、DがCに支払った代価50万円を弁償しなければ、盗まれた指輪を回復することができない。」(45文字)

本問につき、淡路−鎌田−原田−生熊『民法U』第2版(有斐閣、2007年)89−99頁、内田貴『民法T』第2版(1999年、東大出版会)440−450頁参照。