■2013年行政書士試験・法令記述式第2問

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■民法、代理(2013−45)【条文知識問題】

Aは、Bに対し、Cの代理人であると偽り、Bとの間でCを売主とする売買契約(以下、「本件契約」という。)を締結した。ところが、CはAの存在を知らなかったが、このたびBがA・B間で締結された本件契約に基づいてCに対して履行を求めてきたので、Cは、Bからその経緯を聞き、はじめてAの存在を知るに至った。他方、Bは、本件契約の締結時に、AをCの代理人であると信じ、また、そのように信じたことについて過失はなかった。Bは、本件契約を取り消さずに、本件契約に基づいて、Aに対して何らかの請求をしようと考えている。
このような状況で、AがCの代理人であることを証明することができないときに、Bは、Aに対して、どのような要件の下で(どのようなことがなかったときにおいて)、どのような請求をすることができるか。「Bは、Aに対して、」に続けて、下線部について、40字程度で記述しなさい(「Bは、Aに対して、」は、40字程度の字数には入らない)。

■解説

【難易度】難しい。

1) 「Aは、Bに対し、Cの代理人であると偽り本件契約を締結した」。ここから無権代理が問題となる事案であることが分かる。なおこの事案では、表見代理は問題とならない。問題文からは、CがAの代理権が存在しているかのような外観作出に関与しているとは読み取れないからである。

2) 無権代理について、無権代理の相手方(B)が取り得る手段は「表見代理」の主張の他、3つある。「催告」「本件契約の取消」「無権代理人の責任追及」(114、115、117条)である。ただ本問では、「催告」や「本件契約の取消」については、検討を要しない。なおBが本件契約を取消した場合、契約は初めからなかったことになるので、催告や無権代理人の責任追及、表見代理の主張はできなくなる

3) 最終的にBがとるのは117条に基づく責任追及であり、これを論ずることになろう。なお117条の要件のうち、「無権代理であること」「Bが本件契約を取消していないこと」、「Bが、Aの代理権不存在につき善意無過失であること」は、問題文からわかるので論述の必要はなかろう。

解答としては次のようになろうか。
Bは、Aに対して、「本人Cの追認を得られず、かつAに行為能力がある場合、本件契約の履行か損害賠償を請求し得る。」(45文字)

本問につき、山田−河内−安永−松久『民法T』第3版補訂(有斐閣、2007年)179−184頁、内田貴『民法T』第2版(1999年、東大出版会)147−152頁参照。