■2014年行政書士試験・民法第6問(債権)

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■債務引受(2014−32)【判例問題】

債務引受および契約上の地位の譲渡(契約譲渡)に関する次の記述のうち、判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア) 免責的債務引受は、債権者と引受人のみの契約でなすことはできず、債務者(原債務者)を含む三者間の契約でしなければならない。

イ) 併存的(重畳的)債務引受は、債務者(原債務者)の意思に反しても、債権者と引受人のみの契約でなすことができる。

ウ) 併存的(重畳的)債務引受があった場合、別段の意思表示がないときは、債務者(原債務者)と引受人は、債権者に対し、それぞれ等しい割合で分割債務を負う。

エ) 売主の地位や買主の地位の譲渡は、当該売買契約の相手方の承諾がないときは、その相手方に対して効力を生じない。

オ) 賃貸借の目的となっている不動産の所有者がその所有権とともに賃貸人の地位を他に譲渡することは、賃貸人の義務の移転を伴うから、賃借人の承諾を必要とし、新旧所有者間の契約ですることはできない。

1) ア)、ウ)

2) ア)、オ)

3) イ)、ウ)

4) イ)、エ)

5) エ)、オ)

■解説

【難易度】普通。民法改正に伴う補足事項がある(外部ブログ)。

ア) 誤り。免責的債務引受は、債権者、原債務者、引受人の三者間での契約は勿論、債権者と引受人との間の契約でもこれをなし得る(大判大正10年5月9日)。原債務者は債務を免れる利益を受けるのであるから、原債務者を除外して引受契約をしても不都合はないというのがその理由である。野村−栗田−池田−永田『民法V』第2版補訂(1999年、有斐閣)205頁。

イ) 正しい。併存的債務引受は、債権者、原債務者、引受人の三者間での契約は勿論、債権者と引受人との間の契約でもこれをなし得るし、原債務者の意思に反しても可能である(通説、判例)。併存的債務引受は保証的性格を持つが、保証が主たる債務者の意思に反してもなし得ることとの均衡上(民法462条2項参照)、このように解されている。前掲野村他207−208頁。

ウ) 誤り。併存的債務引受の場合、原債務者の債務はそのまま存続し、その債務と同一の債務を引受人は負うことになるが、この両者の債務について判例は連帯債務と解している。前掲野村他208頁。

エ) 正しい。譲渡人と承継人との間で契約上の地位を譲渡できるか。この点、売主や買主の地位の譲渡といったように、相手方の権利義務に与える影響が大きい場合は、売買契約の相手方の承認を必要とするというのが判例である(最判昭和30年9月29日)。前掲野村他210−211頁。

オ) 誤り。賃借人が対抗要件(605条、借地借家法10条1項、31条1項)を具備していれば、賃借人の承諾なしに賃貸人の地位を移転し得るというのが判例である(最判昭和46年4月23日)。前掲野村他211頁。

よって正解は4)となろう。