■2014年行政書士試験・憲法第3問

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■選挙権(2014−5)【判例問題】

投票価値の平等に関する次の記述のうち、判例に照らし、妥当なものはどれか。

1) 議員定数配分規定は、その性質上不可分の一体をなすものと解すべきであり、憲法に違反する不平等を生ぜしめている部分のみならず、全体として違憲の瑕疵を帯びるものと解すべきである。

2) 投票価値の不平等が、国会の合理的裁量の範囲を超えると判断される場合には、選挙は違憲・違法となるが、不均衡の是正のために国会に認められる合理的是正期間を経過していなければ、事情判決の法理により選挙を有効とすることも許される。

3) 衆議院議員選挙については、的確に民意を反映する要請が強く働くので、議員1人当たりの人口が平等に保たれることが重視されるべきであり、国会がそれ以外の要素を考慮することは許されない。

4) 参議院議員選挙区選挙は、参議院に第二院としての独自性を発揮させることを期待して、参議院議員に都道府県代表としての地位を付与したものであるから、かかる仕組みのもとでは投票価値の平等の要求は譲歩・後退を免れない。

5) 地方公共団体の議会の議員の定数配分については、地方自治の本旨にもとづき各地方公共団体が地方の実情に応じ条例で定めることができるので、人口比例が基本的な基準として適用されるわけではない。

■解説

【難易度】難しい。

1) 正しい。最大判昭和51年4月14日である。芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第5版(2011年、有斐閣)141頁、佐藤幸治『日本国憲法論』(2011年、成文堂)406−407頁。

2) 誤り。投票価値の不平等が、@国会の合理的裁量の範囲を超え、選挙が「憲法の選挙権の平等の要求」に反する状態にあり、かつA合理的期間内において不均衡が是正されなかった場合、「議員定数配分規定は」、「憲法の選挙権の平等の要求に違反し、違憲と断ぜられるべき」である。しかしBそこから直ちに選挙の無効を導くのではなく、事情判決の法理により選挙を有効とするというのが判例の立場である(最大判昭和51年4月14日)。

3) 誤り。国会は、このような「議員1人当たりの人口の平等」以外の要素、例えば「市町村その他の行政区画、面積の大小、人口密度、住民構成、交通事情、地理的状況等諸般の要素」をも議員定数配分の決定にあたり考慮し得るというのが判例である(最大判昭和51年4月14日)。

4) 誤り。「参議院は衆議院とともに国権の最高機関として適切に民意を国政に反映する責務を負っていることは明らかであり、参議院議員の選挙であること自体から、直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見いだし難い」(最大判平成24年10月17日)というのが判例である。なお参議院選挙についての先例である最大判昭和58年4月27日も参照(平成24年判例は、基本的な判断枠組みとして昭和58年判例を「変更する必要は認められない」とする)。なお前掲芦部143頁。

5) 誤り。地方公共団体議会議員選挙についても、投票価値の平等は憲法上の要請であり、これを受けた公職選挙法は、「地方公共団体の議会の議員の定数配分につき、人口比例を最も重要かつ基本的な基準とし、各選挙人の投票価値が平等であるべきことを強く要求している」というのが判例である(最判昭和59年5月14日)。