■2014年行政書士試験・行政法総論第3問

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■行政調査(2014−10)【条文知識、判例問題】

行政調査に関する次のア)−エ)の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。争いがある場合には最高裁判所の判例の立場による。

ア) 行政手続法には、行政調査の手続に関する通則的な規定は置かれておらず、また、同法は、情報収集を直接の目的とする処分・行政指導には適用されない。

イ) 警察官職務執行法上の職務質問に付随して行う所持品検査は、検査の必要性、緊急性の認められる場合には、相手方への強制にわたるものであっても適法である。

ウ) 法律の規定を設ければ、行政調査に応じなかったことを理由として、刑罰を科すなど、相手方に不利益を課すことも許される。

エ) 税務調査(質問検査権)に関しては、国税通則法により、急速を要する場合を除き、事前に裁判官の許可を得ることが必要とされている。

1) ア)、イ)
2) ア)、ウ)
3) イ)、ウ)
4) イ)、エ)
5) ウ)、エ)

■解説

【難易度】普通。

ア) 正しい。行政手続法3条14号。櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)161頁。

イ) 誤り。警察官職務執行法2条1項に定められている職務質問に付随する所持品検査は、「任意手段であり相手方の承諾を得て行うのが原則」であるが、強制にわたらない限り、承諾がない所持品検査であっても、検査の必要性、緊急性、被侵害法益と公益の権衡を考慮し、具体的状況の下で相当と認められる限度において、許容されるというのが判例である(最判昭和53年9月7日)。塩野宏『行政法T』第5版(2009年、有斐閣)259−260頁、前掲櫻井他157頁。

ウ) 正しい。逆に任意の行政調査であれば、侵害留保説権力留保説いずれによっても法律の根拠は不要となる。現行法上は、立入や検査を拒んだ場合罰則を設けることで、行政調査の実効性を担保している事が多い。前掲塩野259−260頁、櫻井他160頁以下。

エ) 誤り。国税通則法上の質問検査権(74条の2以下)を行使する場合、このような許可は不要である。なお国税犯則取締法2条参照。前掲櫻井他159頁。

よって正解は2)となろう。