■2015年行政書士試験・民法第2問(総則)

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■心裡留保、虚偽表示(2015−28)【判例問題】

心裡留保および虚偽表示に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1) 養子縁組につき、当事者の一方において真に養親子関係の設定を欲する意思がない場合であっても、相手方がその真意につき善意、無過失であり、縁組の届出手続が行われたときは、その養子縁組は有効である。

2) 財団法人(一般財団法人)の設立に際して、設立関係者全員の通謀に基づいて、出損者が出損の意思がないにもかかわらず一定の財産の出損を仮装して虚偽の意思表示を行った場合であっても、法人設立のための当該行為は相手方のない単独行為であるから虚偽表示にあたらず、財団法人の設立の意思表示は有効である。

3) 土地の仮装譲渡において、仮装譲受人が同地上に建物を建設してその建物を他に賃貸した場合、建物賃借人において土地譲渡が虚偽表示によるものであることについて善意であるときは、土地の仮装譲渡人はその建物賃借人に対して、土地譲渡の無効を理由として建物からの退去および土地の明渡しを求めることができない。

4) 仮装の売買契約に基づく売買代金債権が他に譲渡された場合、債権の譲受人は第三者にあたらないため、譲受人は、譲受債権の発生原因が虚偽表示によるものであることについて善意であっても、買主に対して売買代金の支払を求めることができない。

5) 金銭消費貸借契約が仮装され、借主に金銭が交付されていない場合であっても、当該契約に基づく貸金債権を譲り受けた者は、譲受債権の発生原因が虚偽表示によるものであることについて善意であるときは、借主に対して貸金の返済を求めることができる。

■解説

【難易度】やや難しい。

1) 誤り。当事者の一方において真に養親子関係の設定を欲する(効果)意思がない場合、養子縁組は802条1号によって無効となるというのが判例である(最判昭和23年12月23日)。93条は婚姻や離婚といった真意を重んずる身分上の行為には適用すべきではないと解されている。山田−河内−安永−松久『民法T』第3版補訂(2007年、有斐閣)125頁。

2) 誤り。この場合94条1項を類推適用して無効とするのが判例である(最判昭和56年4月28日)。前掲山田他125頁。

3) 誤り。この場合、建物賃借人は94条2項の第三者に該当しないので、土地の仮装譲渡人は、土地譲渡の無効を理由として建物からの退去及び土地明渡を求め得るとするのが判例である(最判昭和57年6月8日)。前掲山田他128頁。

4) 誤り。虚偽表示から発生した仮装債権の譲受人は、94条2項の第三者に該当するというのが判例である(大判大正4年7月10日)。よって譲受人が善意であれば、「買主に対して売買代金の支払を求めることができる」。

5) 正しい。判例は、質物の引渡や金銭の授受のない要物行為にも94条の適用を認めている(大判昭和6年6月9日、大決大正15年9月4日)。