■2015年行政書士試験・基礎法学第2問

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■裁判の種類(2015−2)【条文知識問題】

裁判には、「判決」、「決定」および「命令」の形式上の区別がある。これらの裁判の形式上の区別に関する次の記述のうち、明らかに妥当でないものはどれか。

1) 「判決」とは、訴訟事件の終局的判断その他の重要な事項について、裁判所がする裁判であり、原則として口頭弁論(刑事訴訟では公判と呼ばれる。以下同じ。)に基づいて行われる。

2) 「決定」とは、訴訟指揮、迅速を要する事項および付随的事項等について、「判決」よりも簡易な方式で行われる裁判所がする裁判であり、口頭弁論を経ることを要しない。

3) 「命令」は、「決定」と同じく、「判決」よりも簡易な方式で行われる裁判であるが、裁判所ではなく個々の裁判官が機関としてする裁判であり、口頭弁論を経ることを要しない。

4) 「判決」には、家事事件および少年事件について、家庭裁判所がする審判も含まれ、審判は原則として口頭弁論に基づいて行われる。

5) 「判決」の告知は、公開法廷における言渡し、または宣告の方法により行われるが、「決定」および「命令」の告知は、相当と認められる方法により行うことで足りる。

■解説

【難易度】難しい。

1) 妥当である。民事訴訟法87条1項本文、刑事訴訟法43条1項。

2) 妥当である。民事訴訟法87条1項但書、刑事訴訟法43条2項。

3) 妥当である。民事訴訟法87条1項但書、刑事訴訟法43条2項。

4) 妥当でない。よってこれが正解である。判決に審判は含まれず、審判は口頭弁論に基づくものではない。なお本肢については訴訟法の知識がなくとも、憲法の「32条と82条の『裁判』の意味」という論点の理解があれば正誤判断は可能であった。82条の「裁判」は、「公開・対審(訴訟の当事者である原告・被告が裁判官の面前で、口頭で各自の主張を述べ合うこと)」−これが口頭弁論(公判)である−「・判決という原則が保障される訴訟事件」の裁判を意味する」(芦部信喜〔高橋和之補訂〕『憲法』第5版〔2011年、岩波書店〕250頁)。公開が前提の口頭弁論に基づいて、審判特に「少年」審判が行われるというおかしさに気づけばこの肢は誤りと分かる。家事事件手続法33条、少年法22条2項参照。この論点については、前掲芦部250頁、佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)606頁以下。

5) 妥当である。民事訴訟法119、250条、刑事訴訟法342条。