■2016年行政書士試験・法令科目多肢選択式3

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■行政法(2016−43)【判例問題】

次の文章は、ある最高裁判所判決の一節である。空欄(ア)−(エ)に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1−20)から選びなさい。

旧行政事件訴訟特例法のもとにおいても、また、行政事件訴訟法のもとにおいても、行政庁の(ア)に任された(イ)の(ウ)を求める訴訟においては、その(ウ)を求める者において、行政庁が、右(イ)をするにあたつてした(ア)権の行使がその範囲をこえまたは濫用にわたり、したがつて、右(イ)が違法であり、かつ、その違法が(エ)であることを主張および立証することを要するものと解するのが相当である。

これを本件についてみるに、本件…売渡処分は、旧自作農創設特別措置法41条1項2号および同法施行規則28条の8に基づいてなされたものであるから、右売渡処分をするにあたつて、右法条に規定されたものの相互の間で、いずれのものを売渡の相手方とするかは、政府の(ア)に任されているものというべきである。しかるに、上告人らは、政府のした右(ア)権の行使がその範囲をこえもしくは濫用にわたり、したがつて違法視されるべき旨の具体的事実の主張または右違法が(エ)である旨の具体的事実の主張のいずれをもしていない…。
(最二小判昭和42年4月7日民集21巻3号572頁)

1) 命令 2) 無効確認 3) 許可 4) 重大 5) 監督 6) 取消し 7) 承認 8) 重大かつ明白 9) 指揮 10) 行政処分 11) 明らか 12) 裁決 13) 真実 14) 支給 15) 明確 16) 救済 17) 釈明処分 18) 審判 19) 認定 20) 裁量

■解説

【難易度】やや難しい。

ア) 20)「裁量」。「(ア)権の行使がその範囲をこえまたは濫用にわたり」という記述から、「行政庁の裁量処分については、裁量権の範囲をこえ又はその濫用があつた場合」(行政事件訴訟法30条)という条文を思い出せば、(ア)は埋まる。

イ) 10)「行政処分」。「本件…売渡処分」という記述が手がかりとなろうか。

ウ) 2)「無効確認」。穴埋しにくい箇所である。この判例を知らなければ、選択肢から「(ウ)を求める訴訟」という記述と適合しそうな言葉を探していくしかないだろう。なお「取消し」という言葉も入りそうだが、これは裁量権の濫用等の証明に加え「右違法が(エ)である旨の具体的事実の主張」が必要という記述と矛盾する。裁量処分の「取消し」を求めるなら、裁量権の濫用等の証明で足りる(行政事件訴訟法30条)筈だからである。

エ) 8)「重大かつ明白」。行政処分の―取消しを超えて―「無効確認」を求める場合、裁量権の濫用等の主張に加え「瑕疵が重大かつ明白」である旨の主張も必要とするのが本判決である。なお、「瑕疵の重大明白」性の認定は、「取消訴訟の出訴期間経過後にやむを得ず提起されることの少なくない無効等確認訴訟において、無効事由として主張されている瑕疵がそれに値するかどうかという形で現れることが多い」(櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版〔2016年、弘文堂〕94頁)。本問については前掲櫻井他92頁以下、塩野宏『行政法T』第5版(2009年、有斐閣)159頁以下参照。