■2016年行政書士試験・民法第9問(不法行為)

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■養子(2016−35)【条文知識問題】

養子に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。

1) 家庭裁判所の審判により後見に付されているAは、認知をするには後見人の同意が必要であるが、養子縁組をするには後見人の同意は必要でない。

2) 16歳のBを養子とする場合には、原則として家庭裁判所の許可が必要であるが、この場合には、Bの法定代理人が養子縁組の承諾をしなければならない。

3) C・Dが夫婦である場合に、Cが、成年者Eを自己のみの養子とするときには、Dが同意について意思を表示することができないときを除いて、Dの同意を得なければならない。

4) F(70歳)およびG(55歳)は夫婦であったところ、子がいないことからFの弟であるH(58歳)を養子とした場合に、この養子縁組の効力は無効である。

5) I・J夫婦が、K・L夫婦の子M(10歳)を養子とする旨の縁組をし、その届出が完了した場合、MとK・L夫婦との実親子関係は終了する。

■解説

【難易度】普通。

1) 誤り。「認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しない」(民法780条)。Aが認知をする場合、Aの後見人の同意は不要である。養子縁組の説明は正しい(799、738条)。

2) 誤り。「15歳未満のBを養子とする場合には」「Bの法定代理人が養子縁組の承諾をしなければならない」なら正しい(797条1項。代諾縁組)。この場合Bは16歳なので、養子縁組には、B本人と養親となる者との間に合意が必要となる(なお798条参照)。佐藤−伊藤−右近『民法X』第2版補訂(2000年、有斐閣)81頁以下。

3) 正しい。796条。

4) 誤り。年長者は養子とすることができないが(793条。GにとってHは年長者にあたる)、これに反してなされた養子縁組は無効なのではなく、取消し得るものとなる(805条)。

5) 誤り。養子Mと養子の実方の親族(K、L)との親族関係は、普通の養子縁組によっては何の影響も受けない。これに対し特別養子縁組では、養子とその父母の親族関係が終了する(817条の9本文)。この事例ではMが10歳なので、特別養子縁組は問題とならない(817条の5)。前掲佐藤他91頁。