■2016年行政書士試験・民法第4問(物権)

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■先取特権(2016−30)【条文知識問題】

不動産先取特権に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、誤っているものはどれか。

1) 不動産の保存の先取特権は、保存行為を完了後、直ちに登記をしたときはその効力が保存され、同一不動産上に登記された既存の抵当権に優先する。

2) 不動産工事の先取特権は、工事によって生じた不動産の価格の増加が現存する場合に限り、その増価額についてのみ存在する。

3) 不動産売買の先取特権は、売買契約と同時に、不動産の代価またはその利息の弁済がされていない旨を登記したときでも、同一不動産上に登記された既存の抵当権に優先しない。

4) 債権者が不動産先取特権の登記をした後、債務者がその不動産を第三者に売却した場合、不動産先取特権者は、当該第三取得者に対して先取特権を行使することができる。

5) 同一の不動産について不動産保存の先取特権と不動産工事の先取特権が互いに競合する場合、各先取特権者は、その債権額の割合に応じて弁済を受ける。

■解説

【難易度】やや難しい。

1) 正しい。民法337、339条。

2) 正しい。327条2項。

3) 正しい。不動産売買の先取特権と抵当権の優劣については、規定がないので登記の前後で決まる(177条)。前掲淡路他224頁。不動産売買の先取特権を登記しても(340条)、その段階ですでに抵当権の登記があれば抵当権が先取特権に優先する。

4) 正しい。登記により効力を保存した不動産先取特権(337、338、340条)は、当該不動産の第三取得者にも対抗し得る。なお前掲淡路他227頁。

5) 誤り。よってこれが正解である。同一の不動産につき各不動産先取特権が競合する場合、325条各号の順に優先する(331条1項)。つまり優先順位は保存→工事→売買の順となる。