■2016年行政書士試験・行政救済法第2問

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■行政不服審査法(2016−15)【条文知識問題】

行政不服審査法における審理員について、妥当な記述はどれか。

1) 審理員による審理手続は、処分についての審査請求においてのみなされ、不作為についての審査請求においてはなされない。

2) 審理員は、審査庁に所属する職員のうちから指名され、審査庁となるべき行政庁は、審理員となるべき者の名簿を作成するよう努めなければならない。

3) 審理員は、処分についての審査請求において、必要があると認める場合には、処分庁に対して、処分の執行停止をすべき旨を命ずることができる。

4) 審理員は、審理手続を終結したときは、審理手続の結果に関する調書を作成し、審査庁に提出するが、その中では、審査庁のなすべき裁決に関する意見の記載はなされない。

5) 審理員は、行政不服審査法が定める例外に該当する場合を除いて、審理手続を終結するに先立ち、行政不服審査会等に諮問しなければならない。

■解説

【難易度】普通。

1) 誤り。行政庁の不作為についても、4条に従い審査請求をすることができ(3条)、4条に基づいて審査請求がなされた行政庁は審理員を指名することになる(9条)。つまり不作為についての審査請求においても審理員による審理手続がとられる。

2) 正しい。9条1項柱書本文、17条。なお審理員となるべき者の名簿の作成は努力義務であるが、作成した場合は公にする義務が生じる。

3) 誤り。「審理員は、処分についての審査請求において、必要があると認める場合には」、「審査庁に対し、執行停止をすべき旨の意見書を提出することができる」(40条)。執行停止自体を行うのは審査庁である(25条2、3項)。

4) 誤り。審理員は、審理手続を終結したときは、審理手続の結果に関する調書を作成し審査庁に提出するが、ここでいう調書は、「審査庁がすべき裁決に関する意見書」(審理員意見書)を言う(42条)。

5) 誤り。「審理員による審理手続の終結」→「審理員意見書を作成し審査庁へ提出」(42条)→「審査庁による行政不服審査会等への諮問」(43条1項柱書)の順に手続は進行するので、「審理手続を終結するに先立ち諮問」という記述が誤り。また行政不服審査会等への諮問をするのは審理員ではなく、審査庁である。なお審査請求の流れにつき、櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)238頁図参照。