■2016年行政書士試験・法令記述式問題1

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■行政法(2016−44)【理論問題】

A市は、A市路上喫煙禁止条例を制定し、同市の指定した路上喫煙禁止区域内の路上で喫煙した者について、 2万円以下の過料を科す旨を定めている。Xは、路上喫煙禁止区域内の路上で喫煙し、同市が採用した路上喫煙指導員により発見された。この場合、Xに対する過料を科すための手続は、いかなる法律に定められており、また、同法によれば、この過料は、いかなる機関により科されるか。さらに、行政法学において、このような過料による制裁を何と呼んでいるか。40字程度で記述しなさい。

■解説

【難易度】易しい。

1) 「2万円以下の過料を科す旨を定めている」。行政上の義務の不履行に対して科せられる制裁を「行政罰」と言うが、本条例違反について科せられるのは「過料」である。この段階で、行政罰の内「行政刑罰」は問題にならないことが分かる(刑法9条参照)。本問では、行政刑罰ではなく「秩序罰」が問題となる。

2) この秩序罰には2種類ある。まずは「法律上の秩序罰」である(届出義務違反行為に多く見られる〔戸籍法135条等〕)。これは「非訟事件手続法」の定めるところに従い「裁判所」が科す(119条以下)。
本問では、法律ではなく「条例、規則上の過料」即ち「地方公共団体の秩序罰」(14条3項、15条2項)が問題となる。これについては、裁判所ではなく「地方公共団体の長」が「地方自治法」の定めるところに従い「行政行為」の形式で科す。

解答としては以下のようになろうか。

地方自治法に定められており、地方公共団体の長により科されるもので、秩序罰と呼ぶ。(40文字)

本問については、塩野宏『行政法T』第5版(2009年、有斐閣)247頁以下、櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)187頁以下。