■2013年行政書士試験・行政手続法

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■行政手続法(2013−11)【条文知識問題】

行政手続法が定める不利益処分についての規定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 行政手続法は、不利益処分を行うに当たって弁明の機会を付与する場合を列挙し、それら列挙する場合に該当しないときには聴聞を行うものと規定しているが、弁明の機会を付与すべき場合であっても、行政庁の裁量で聴聞を行うことができる。

2) 行政庁が、聴聞を行うに当たっては、不利益処分の名あて人となるべき者に対して、予定される不利益処分の内容及び根拠法令に加え、不利益処分の原因となる事実などを通知しなければならないが、聴聞を公正に実施することができないおそれがあると認めるときは、当該処分の原因となる事実を通知しないことができる。

3) 不利益処分の名あて人となるべき者として行政庁から聴聞の通知を受けた者は、代理人を選任することができ、また、聴聞の期日への出頭に代えて、聴聞の主宰者に対し、聴聞の期日までに陳述書及び証拠書類等を提出することができる。

4) 文書閲覧許可や利害関係人の参加許可など、行政庁又は聴聞の主宰者が行政手続法の聴聞に関する規定に基づいてした処分については、行政不服審査法による不服申立てをすることができ、また、それら処分を行う際には、行政庁は、そのことを相手方に教示しなければならない。

5) 公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、行政手続法に定める聴聞又は弁明の機会の付与の手続を執ることができないときは、これらの手続を執らないで不利益処分をすることができるが、当該処分を行った後、速やかにこれらの手続を執らなければならない。

■解説

【難易度】普通。

1) 誤り。行政手続法は、不利益処分を行うに当たって「聴聞を行う場合を列挙し」(13条1項1号イ−ハ)、それら「列挙する場合に該当しないときには弁明の機会を付与する」ものと規定している(13条2項)なら正しい。

2) 誤り。聴聞を行うに当たっての通知に関する説明は正しいが(15条1項)、「処分の原因となる事実の通知」(15条1項2号)を省略することは認められていない。

3) 正しい。16条1項、21条1項。

4) 誤り。行政庁又は聴聞の主宰者が行政手続法の聴聞に関する規定に基づいてした処分については、行政不服審査法による不服申立てをすることが「できない」(27条1項)。

5) 誤り。不利益処分における聴聞、弁明の機会の付与は、公益上、緊急に不利益処分をする必要がある場合、省略することができるが(13条2項1号)、省略して不利益処分を行った後、改めて聴聞や弁明の機会を付与する必要はない。

■行政手続法(2013−12)【条文知識問題】

行政手続法が規定する申請に対する処分に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1) 行政庁は、申請がその事務所に到達したときは、遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならない。

2) 行政庁は、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが要件とされている処分を行う場合には、それらの者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。

3) 行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況および当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない。

4) 行政庁は、申請をしようとする者の求めに応じ、申請書の記載および添付書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めなければならない。

5) 行政庁は、申請者の求めに応じ、申請の処理が標準処理期間を徒過した理由を通知しなければならない。

■解説

【難易度】易しい。

1) 正しい。7条。

2) 正しい。10条。

3) 正しい。9条1項。

4) 正しい。9条2項。

5) 誤り。このような規定はない。

■行政手続法(2013−13)【判例問題】

次の文章は、処分の理由の提示のあり方が問題となった事案に関する、最高裁判所判決の一部である。空欄(ア)−(エ)に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。

「行政手続法14条1項本文が、(ア)をする場合に同時にその理由を(イ)に示さなければならないとしているのは、(イ)に直接に義務を課し又はその権利を制限するという(ア)の性質に鑑み、行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、処分の理由を(イ)に知らせて不服の申立てに便宜を与える趣旨に出たものと解される。

そして、同項本文に基づいてどの程度の理由を提示すべきかは、上記のような同項本文の趣旨に照らし、当該処分の根拠法令の規定内容、当該処分に係る(ウ)の存否及び内容並びに公表の有無、当該処分の性質及び内容、当該処分の原因となる事実関係の内容等を総合考慮してこれを決定すべきである。

(中略)建築士に対する上記懲戒処分については、処分内容の決定に関し、本件(ウ)が定められているところ、本件(ウ)は、(エ)の手続を経るなど適正を担保すべき手厚い手続を経た上で定められて公にされており、しかも、その内容は……多様な事例に対応すべくかなり複雑なものとなっている。そうすると、建築士に対する上記懲戒処分に際して同時に示されるべき理由としては、処分の原因となる事実及び処分の根拠法条に加えて、本件(ウ)の適用関係が示されなければ、処分の(イ)において、上記事実及び根拠法条の提示によって処分要件の該当性に係る理由は知り得るとしても、いかなる理由に基づいてどのような(ウ)の適用によって当該処分が選択されたのかを知ることは困難であるのが通例であると考えられる。」
(最三小判平成23年6月7日民集65巻4号2081頁)

ア イ ウ エ
1) 申請に対する処分 利害関係人 審査基準 聴聞

2) 不利益処分 名宛人 審査基準 聴聞

3) 申請に対する処分 利害関係人 処分基準 意見公募

4) 不利益処分 利害関係人 処分基準 聴聞

5) 不利益処分 名宛人 処分基準 意見公募

■解説

【難易度】普通。

ア) 「不利益処分」。本件は「(中略)建築士に対する上記懲戒処分」としての(ア)が問題となっていることが分かる。とすれば、「申請に対する処分」ではなく「不利益処分」が入るということになろう。なお13条1項1号ロ参照。

イ) 「名宛人」。不利益処分により「義務を課せられたり、権利を制限される」のは処分の相手方、即ち処分の「名宛人」ということになろう。

ウ) 「処分基準」。問題文より選択肢を手掛かりにした方が早く解けると思われる。(ウ)には審査基準か処分基準のどちらかが入ることになるが、「申請に対する処分」に対応するのが「審査基準」(5条)であり、「不利益処分」に対応するのが「処分基準」(12条)だから、(ア)に入れた言葉に対応する処分基準を入れることになる。

エ) 「意見公募」。ウ)までくれば消去法で(エ)を考慮するまでもなく、5)が正解ということが分かる。処分基準を「定める際の手続」なので、不利益処分の手続たる聴聞ではなく、基準そのものを定める際にしてなされた「意見公募」が(エ)に入ることになる。