■2012年行政書士試験・地方自治法

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■国と自治体間の紛争処理(2012−21)【条文知識問題】

国とA市との間の紛争に関する次の記述のうち、法令または判例に照らし、正しいものはどれか。

1) A市長は、自治事務に関する国の関与に不服があるときは、地方裁判所に対し、当該関与を行った国の行政庁を被告として、その取消しを求める抗告訴訟を提起することができる。

2) A市の法定受託事務に関する国の関与が違法であると認めるときは、国地方係争処理委員会は、当該関与を行った国の行政庁に対して、理由を付し、期間を示した上で、必要な措置を講ずべきことを勧告することになる。

3) 国の所有地内にあるA市の物件の撤去を国が求める場合、担当大臣は、A市長に対して地方自治法所定の国の関与としての代執行の手続をとることになる。

4) A市情報公開条例に基づき、A市長が国の建築物の建築確認文書について公開する旨の決定をした場合、当該決定について不服を有する国がこの決定に対して取消訴訟を提起しても、当該訴訟は法律上の争訟に該当しないとして却下されることになる。

5) A市に対する国の補助金交付の決定について、それが少額であるとしてA市が不服をもっている場合、A市が救済を求める際の訴訟上の手段としては、地方自治法に機関訴訟が法定されている。

■解説

【難易度】やや難。

1) 誤り。この場合「高等裁判所」に対し関与の取消しを求める「機関訴訟」を提起することになる(251条の5第1項、8項)。塩野宏『行政法V』第2版(2001年、有斐閣)191頁。

2) 正しい。250条の14第1項。前掲塩野190頁。

3) 誤り。分かりずらい肢であるが、そもそも市長に対し代執行手続をとるのは国の大臣ではなく「都道府県知事」である(245条の8第12項)ので誤りと言えよう。

4) 誤り。最判平成13年7月13日であろう。本件は、那覇市長による海上自衛隊の庁舎建築工事に関する関係文書公開決定につき国が一部取消しを求めた事案だが、原審はこれにつき法律上の訴訟に該当しないと判断したが、最高裁は法律上の争訟性自体は肯定している。

5) 誤り。このような規定は地方自治法に法定されていない。

■地方自治法総論(2012−22)【条文知識問題】

地方自治法およびその内容に関する次のア)−オ)の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア) 地方自治法の廃止は、日本国憲法の定めるところにより、住民投票を経て行わなければならない。

イ) 地方自治法は、その目的として、「地方公共団体の健全な発達を保障すること」をあげている。

ウ) 地方自治法は、「地方自治の本旨」の内容につき、それが「住民自治」と「団体自治」とを意味すると規定している。

エ) 地方自治法には、地方財政法や地方公務員法等に優先して適用されるとの規定があり、地方自治の基本法としての位置づけが明確にされている。

オ) 現行の地方自治法は、第二次世界大戦前の(旧)地方自治法を抜本的に改正して制定されたものである。

1) 1つ

2) 2つ

3) 3つ

4) 4つ

5) 5つ

■解説

【難易度】難しい。

ア) 誤り。地方自治法の改廃は、通常の法律の改廃と同じ手続を経ればたりる(憲法56条2項参照)。

イ) 正しい。地方自治法1条。

ウ) 誤り。住民自治団体自治とは地方自治法に規定されているのではなく、憲法92条の解釈によって導き出される原理である。櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)47頁。

エ) 誤り。このような規定はない。

オ) 誤り。そもそも戦前に地方自治法はなかった。よって4)の4つが正解となろう。

■長と議会の関係(2012−23)【条文知識問題】

地方自治法に定める、普通地方公共団体の長と議会との関係に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1) 議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、長において専決処分にすることができる。

2) 議会において長の不信任の議決がなされた場合には、長は議会を解散することができる。

3) 議会の審議に必要な説明のため議長から出席を求められたときは、長は議場に出席しなければならない。

4) 議会の議決が法令に違反すると認められるときは、長は専決処分により、議決を適法なものとするための是正措置をとることができる。

5) (法改正に伴い削除)

■解説

【難易度】普通。

1) 正しい。180条1項。

2) 正しい。178条1項。

3) 正しい。121条1項。

4) 誤り。この場合専決処分をするのではなく、理由を示した上で再議に付さねばならない(176条4項)。

5)