■2011年行政書士試験・基礎法学1

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■法律の効力(2011−1)【理論問題】

わが国の法律に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) わが国の法律は基本的には属人主義をとっており、法律によって日本国民以外の者に権利を付与することはできない。

2) 限時法とは、特定の事態に対応するために制定され、その事態が収束した場合には失効するものをいう。

3) 法律が発効するためには、公布がされていることと施行期日が到来していることとの双方が要件となる。

4) 国法は全国一律の規制を行うものであり、地域の特性に鑑み特別の地域に限って規制を行ったり、規制の特例措置をとったりすることは許されない。

5) 日本国憲法は遡及処罰の禁止を定めており、法律の廃止に当たって廃止前の違法行為に対し罰則の適用を継続する旨の規定をおくことは許されない。

■解説

【難易度】やや難。2)と4)、5)の正誤判断が難しかったとおもわれる。

1) 誤り。属人主義ではなく属地主義である。また、法律による日本国民以外の者への権利付与については、例えば民法3条2項参照。

2) 誤り。限時法とは、施行期間を限定した法規のことを言う。西田典之『刑法総論』初版(2006年、弘文堂)403頁参照。

3) 正しい。なお法の適用に関する通則法2条参照。

4) 誤り。ここで言う「国法」、国会制定法は「全国一律」の規制を前提とするものと言っても誤りではない(憲法41条の「立法」が意味する「法規」概念の内容に注意)。但し憲法は例外的に、特定の地域に限った立法措置を認めている(憲法95条)。本問については、芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第3版(2002年、岩波書店)285−287頁、佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)432−433頁。

5) 誤り。遡及処罰禁止についての説明は正しいが(憲法39条)、ここで言う「規定」をおくことは許される。例えば、限時法が刑罰規定を有する場合、その施行期間終了直前の違反行為については有効に取り締まることができなくなるが(刑法6条、刑事訴訟法337条2号参照)、限時法に本肢のような「規定」があれば、その施行間終了後も廃止前の違反行為について取り締まることが可能となる。前掲西田403頁。